日本ハムのドラフト1位、大谷翔平投手(18=花巻東)が“ソロ活動”を行うことが16日、分かった。2月の春季キャンプで、練習メニューのグループ分けにただひとり入らず、個人での練習に没頭する。投打両面での練習があることが理由で、どこのグループにも属することなく、単独行動で本球場とブルペンを行き来する。

 “ソロ活動”でデビューを目指す。と言っても、アイドルグループの話ではない。2月に行われる沖縄・名護での春季キャンプで、大谷が単独行動をとることになる。通常は4~5選手ごとにグループ分けされ、練習メニューをこなしていくことになるが、球団関係者は「投手と野手、両方の練習があるので、グループ分けには入らないでしょう」と“ソロ活動”を許可する方針だ。

 キャンプ中の練習は、1、2軍ともに数人の選手が1つのグループとなり、メニューをこなしていくのが一般的。投手ならばブルペン入りや投内連係、遠投、ノックなど、打者でもティー打撃やマシン打撃、守備練習、走塁練習など、それぞれのグループが時間をずらして各練習を行い、効率よくメニューを消化している。

 だが大谷は「エース兼4番」を目指し、投打両面の練習が必要になる。ティー打撃を行った後はバットをグラブに持ち替えて、遠投、ブルペン、さらにその後、またバットを持ってマシン打撃など。ただ1人だけグループ分けからは完全に外れ、本球場とサブグラウンド、ブルペンを行ったり来たりすることになりそうだ。

 この日も降雪の影響で、千葉・鎌ケ谷での新人合同自主トレは室内で行われた。新人のほか、金子誠、陽岱鋼、増井、森内、今浪ら、室内練習場の中に1軍選手もごった返した。大谷は「(先輩の)ボールを見ていてもキレを感じるし、すごいなと思います。自分に足りないところなので」と、少しでも吸収しようと目を凝らす。選手の数が減る夜間練習では、マシン打撃や変化球を交えたキャッチボールもこなしているという。

 練習後は、恒例になった即席サイン会で、集まっていたファンと交流した。「(球団が行う講義で)『心を動かすのがプロ野球選手の仕事』と聞きました。サインだけじゃなくて会話とか、ファンサービスしていきたいです」。キャンプでの“ソロ活動”を前に、すでにアイドル級の人気者になっている。