センター奪え!

 阪神の伊藤隼太外野手(23)に「中堅構想」があることが分かった。23日のコーチ会議で、1軍キャンプスタートが決定。球団幹部は「隼太にはセンターを大和と競ってもらう。キャンプからアピールしてほしい」と期待した。昨季は内野手登録の大和(25)が115試合を守った。主に右翼起用だった伊藤隼には、定位置奪取への正念場となる。

 伊藤隼は鳴尾浜の室内で打撃練習などを行い、自らを奮い立たせるように宣言した。「全試合スタメン、レギュラーで出たい」。昨年12月に視力矯正のレーシック手術を実施。左0・3、右0・5でプレー時はコンタクトレンズを使用していたが、ともに1・5になった。「バッチリです。乱視も入っていたので、夜は見え方が全然違う。戦闘準備整えました」と笑った。

 「ドラ1後輩」の藤浪は寮で隣の部屋になった。注目の新人を「見守ってあげて下さいね」と優しい目で見守る。キャンプには、オフに購入したフットマッサージャーを持参する予定。「お勧めしますよ」と藤浪を部屋に呼び、足つぼをゴリゴリしながら相談に乗るつもりだ。

 沖縄自主トレ中には新加入の福留にも挑戦状をたたきつけた。強気の言動も覚悟があるから。「1年間やって雰囲気もわかっている分、自分に余裕がある。初日からアピールしていけたら」。サバイバルキャンプにふさわしい、激しい火花を散らす。【近間康隆】

 ◆阪神の春季キャンプ

 1軍は2月1~22日に沖縄・宜野座村で行い、24日のオープン戦ヤクルト戦(浦添)後に帰阪する。休日は7、12、18日の予定。昨年からは隣町の金武(きん)町ベースボールスタジアムもサブ球場として使用する。今年は宿舎を読谷村の残波岬ロイヤルホテルへ変更。大型屋内練習場や専門器具の充実したウエートルームを完備する。1965年(昭40)からキャンプ地だった高知・安芸は昨年から1軍が撤退。同地では28日まで2軍がキャンプする。