絶賛の嵐だ。広島ドラフト2位鈴木誠也内野手(18=二松学舎大付)が、新人一番乗りで“1軍デビュー”を飾った。日南キャンプ2日目で、インフルエンザで離脱したフレッド・ルイス外野手(32=メッツ)に替わって、午前中だけ1軍練習に参加。ランチ打撃では、前田智徳外野手兼打撃コーチ補佐(41)との“共演”も果たした。

 背番号51が輝いた。1軍キャンプに抜てきされた鈴木誠は、大先輩に見守れる中でも自分のスタイルを貫いた。いきなりのランチ特打で前田智と共演。ケージ裏には、野村監督をはじめ新井打撃コーチ、緒方打撃コーチ、石井内野守備走塁コーチが目を光らせていた。前田智を含め合計10111安打を放った5人の熱視線を浴び、普通の18歳なら緊張で体がガチガチに硬くなってしまいそうなところだが、鈴木誠は違った。

 鈴木誠

 飛ばそうと思うと(フォームが)崩れてしまうので、軸をブラさないように、逆方向に強い打球を打とうと思いました。

 初の統一球でのフリー打撃。飛距離が出ないと感じるとすぐに修正した。中堅方向の打球を中心に104スイングで38本の安打性の当たりを見せた。

 早出特守では、野村監督からステップの踏み方など、身ぶり手ぶりで指導を受けた。鈴木誠と同じく投手から野手に転向した石井コーチをして「俺が転向したときよりずっといい。ビックリした」と言わしめた。

 新助っ人ルイスの離脱で、野村監督は真っ先にドラフト2位ルーキーの昇格を決めた。イチローを目指せと51番を球団から与えられた期待に応える片りんを披露した鈴木誠を「1年目でフルスイングをして、足を踏ん張れているのは、なかなかいない」と絶賛。新井打撃コーチも「1軍の人に見られている環境で、物おじせず、今ある姿を見せられるのはすごい」と称賛した。

 鈴木誠

 早くに1軍がどんなところか経験できて、1軍選手のプレーを見られたのは良かった。まねをして、もう1回、2軍でがんばります。

 野村監督は、ルイス離脱による1枠は、2軍から日替わりで若手を上げてチャンスを与える方針。今日3日は、鈴木に替わりドラフト3位上本崇司内野手(22=明大)が1軍に部分合流する。日々、原石が磨かれていく。【鎌田真一郎】

 ◆鈴木誠也(すずき・せいや)1994年(平6)8月18日、東京都生まれ。小2から荒川リトルで野球を始める。中学時代は荒川シニア。二松学舎大付では1年秋からエースで、3年夏は東東京8強。投手としても最速148キロを誇るが長打力を買われ野手でプロ入り。内外野どちらもこなす。高校通算43本塁打。50メートル走5秒8。家族は両親、妹。181センチ、82キロ。右投げ右打ち。