ソフトバンク千賀滉大投手(20)が2日、発熱のためオープン戦巨人戦(東京ドーム)の登板を回避した。先発ローテーション候補として2番手で3回を投げるはずが、試合前に体調不良を訴えた。都内の病院で受けたインフルエンザ検査は陰性ながら、首脳陣の判定は「アウト」。そのまま2軍行きを通達された。

 秋山監督は「残念だねえ」のひと言で流した。一方、高山投手コーチは失望感をあらわにした。「ありますよ、発熱は。それでも投げます、という気概を見せないといけない立場。投げたくても投げられないヤツはいっぱいいる。(2軍へ)落とす感じです」。普段は物静かな同コーチが怒り心頭だった。

 千賀は昨年4月に育成契約から昇格し、2試合に先発。有望株だった。今回はチーム本隊より1日早く東京入りし、準備は万全のはずだった。秋山監督が「これから競争が激しくなる。責任と自覚を」と話した矢先のリタイア。当然の2軍通達だった。高山コーチは「先発はいっぱいいるから(千賀は)後回し。そこに誰かが入るとチャンスはなくなる」と厳しい。

 最速153キロ右腕の脱落で、ローテ争いはピリッと引き締まってきた。【押谷謙爾】