“開幕4冠”達成へ!?

 プロ8年目で初の開幕投手を務める日本ハム武田勝投手(34)が、イースタン・リーグの開幕投手も務めることになった。14日、調整登板予定だったイースタン教育リーグ楽天戦(鎌ケ谷)が雨天中止。イースタン開幕戦の16日DeNA戦(横須賀)での先発が急きょ、決まった。2月23日のオープン戦開幕投手も務め、4月5日ソフトバンク戦(札幌ドーム)の本拠地開幕投手も見込まれる左腕が、本番の29日西武戦(西武ドーム)に向け、調整を進める。

 雨天中止でさらに“大役”が増えることになった。14日の教育リーグ先発が流れた武田勝は、16日のイースタン開幕戦(対DeNA、横須賀)にスライド登板が決定。「ちょうどビジターですし(29日の開幕戦を)イメージしながら、立ち上がりを大事に投げたい」と、雨がもたらした幸運を喜んだ。

 偶然とはいえ、なぜか今年は「開幕」に縁がある。2月23日のオープン戦(対阪神)に続き、イースタン・リーグ、そしてペナントレース開幕戦…。さらに、順当に中6日で先発ローテーションがまわった場合、開幕2度目の先発機会は本拠地・札幌ドームの“ホーム開幕戦”4月5日ソフトバンク戦となる。「こうなったら、交流戦も、クライマックスシリーズ(CS)も、日本シリーズも全部やろうかな」と、本人も苦笑いするくらいだ。

 ダルビッシュ(レンジャーズ)在籍時から「最強の2番手」として君臨してきた。ダルビッシュ移籍後の昨年は、斎藤に譲った開幕投手。責任の重みを十分に分かっているからこそ、開幕戦だけは「144分の1というより、特別な試合」と位置づけている。それは、2軍主体のイースタン・リーグでも同じこと。開幕投手として、求められることは何か。「ファームの開幕ということで、勝ちにこだわった投球をして、チームに勢いを付けたいですね」と、本番さながらのメンタルで挑む構えだ。

 2イニング予定の16日は、対戦相手や球場こそ違うが、敵地での開幕戦という点でシーズン開幕戦と一致。プロ8年目で初の開幕投手を任された左腕にとって、16日の試合は1軍の本番へ向けた試金石となる。その後、中4日で21日楽天とのオープン戦に臨み、総仕上げする予定。完璧なイメージトレーニングで、大一番へ弾みをつける。【中島宙恵】