<オープン戦:西武5-3中日>◇14日◇西武ドーム

 守道竜のインフルエンザ被害が拡大し、ついに2軍選手が足りなくなった。西武戦の前にトレーナーから耳打ちされた高木守道監督(71)は思わず声を荒らげた。「えっ!?

 全滅やないか!」。14日、2軍の金田捕手コーチ、前原内野守備走塁コーチ、吉田のインフルエンザ感染が判明した。これでキャンプ前に高木監督が発症してから計15人目の感染者。開幕を2週間後に控え、インフルエンザの猛威は止まるどころか増している。

 全滅の表現も大げさではない。現在ファームは育成選手を含め、プレーできる野手はわずか9人。1軍で若手野手を競わせる方針の上に、インフルエンザ感染者が続出しているのだ。前日13日には鈴木2軍監督までもが感染。今日15日から教育リーグ阪神戦とプロアマ交流戦の6連戦が控えるが、試合運営にも影響を及ぼしかねない。

 やむなく1軍から2軍への“逆助っ人”を決断した。西武戦後に堂上直倫内野手(24)、岩崎恭平内野手(26)、野本圭外野手(28)の2軍合流が決定。井上打撃コーチは「まだ2週間ある。これで開幕アウトというわけじゃない」と説明したが、思わぬ展開に野本は「(11日の)浜松で合流して2試合ですから…」とやや肩を落とす。

 高木監督は「いいんじゃない。一通りなれば」ともう投げやり。2軍が大変…という問いには「2軍は、じゃない。1軍も大変!」と切り返した。トレーナー陣はナゴヤドームのロッカー室に空気清浄器などの設置を球団に要請した。ライバル球団との前に、インフルエンザとの戦いに守道竜が四苦八苦だ。【桝井聡】