<オープン戦:DeNA8-7ソフトバンク>◇16日◇横浜

 開幕スタメンを猛アピール弾だ!

 オープン戦の本塁打王争い単独トップを走るソフトバンク柳田悠岐外野手(24)が、またまた打った。DeNA戦の6回に3戦連発となる5号2ランを放った。チームは、オープン戦では99年3月22日横浜戦(横浜)以来となる5本塁打を放ちながら逆転サヨナラ負けしたが、プロ3年目の若武者が本格化の兆しだ。

 3年目柳田の好調ぶりが際立ってきた。昨シーズン8月に2戦連発はあるが、オープン戦とはいえ3戦連発はプロ初。「出来すぎ。自分のスイングをすることだけを考えている。結果が出ていることは自信になる」。開幕スタメンへ、猛アピールが止まらない。

 松中の2号ソロで追いついた6回だ。1死一塁から、加賀美の真ん中やや内寄りの141キロ直球をフルスイング。痛烈なライナーは逆風を切り裂き、ハマスタの右翼席に飛び込んだ。初回にDeNAブランコが4号ソロを放ってキングに並ばれたが、すぐに引き離した。

 3戦連発は左が2発に、右が1発。「引っ張ろうとするとファウルになる。意識はセンター返し」。コースに逆らわず、広角に大きな当たりが打てている。「ストライクゾーンを上げて、低めのボール球を振っていない。目線を上げている」のが好調の要因。「(打てる)ツボを早くつくれ」と指令を出した秋山監督も「伸び伸びと振ってるねえ」と大絶賛だ。

 無安打に終わった10日のロッテ戦後、バリカンで頭を丸刈りにした。以来、4戦3発の大爆発。「スッキリした。ヘルメットがすっぽりと入るので、それがいいのかも」。ジョークを飛ばす余裕も出てきた。

 オープン戦13試合で5本塁打。単純計算ならシーズン144試合で55発の日本記録ペース。それでも、置かれた立場は分かっている。内川がWBCに参加中で、前頭部陥没骨折の長谷川も開幕に間に合いそう。「まだレギュラーじゃない。取るまで全力でいく」。伸び盛りの24歳が、この勢いで突っ走る。【大池和幸】<柳田悠岐(やなぎた・ゆうき)アラカルト>

 1988年(昭63)10月9日、広島市生まれ。小学3年で野球を始める。

 ◆経歴

 広島商では2年秋に中国大会に出場、甲子園出場なし。広島6大学リーグの広島経大ではベストナイン6度、首位打者4度。10年ドラフト2位指名で入団。1年目にウエスタン・リーグ本塁打王。

 ◆天然キャラ!?

 入団会見で背番「44」の感想を聞かれ「獅子(44)舞ですかね」とおとぼけ回答。昨年12月のトークショーではサンタに欲しい物に「筋肉ッス」と爆笑を誘う。

 ◆特技

 大学時代は練習後にボウリング場に直行。自己ベストは「267」。競馬も趣味のひとつ。

 ◆珍目標

 昨オフ、3年目の目標に「トリプル2・5」(打率2割5分、25本塁打、25盗塁)を掲げる。

 ◆サイズ

 188センチ、90キロ。右投げ左打ち。今季推定年俸1800万円。