本拠地・甲子園のDeNA戦でのプロ初勝利から一夜明けた15日、阪神のドラフト1位藤浪晋太郎投手(19)が祝福ラッシュにあった。知人から多数のメールが届き、広島前田健太投手(25)や日本ハムのドラフト1位大谷翔平投手(18)からのメールもあったことも判明。藤浪は「ここからが始まり」と、剛腕伝説幕開けを宣言した。

 プロ初勝利の衝撃は、チーム、母校の枠を超えていた。本拠地・甲子園でDeNAを6回5安打無失点に抑えてプロ1勝を挙げ、お立ち台で「これからも必死のパッチで頑張るので、応援よろしくお願いします」と大観衆に告げた直後から携帯電話に届き始めた祝福メール。「1つ1つ返したから数はわからない」と藤浪は言ったが、旧友にまじり忘れられない投手からのメールが届いていた。

 「前田健太さん、日本ハムの大谷君からもメールを頂きました。『おめでとう』という内容でした」と明かした。

 1人は今月7日に対戦した大阪桐蔭時代から尊敬してやまない球界のエース。もう1人は昨年の選抜大会1回戦で投げ合って以来、切っても切れない間柄になった大谷だ。13日オリックス戦(ほっともっと神戸)で右足首を捻挫して2軍落ちし、4月中の1軍復帰は絶望的になった。その大谷からの「初勝利おめでとう。僕は捻挫して落ちちゃったよ」という文面に胸をつかれた。

 自身はプロの試練に直面しながら、藤浪の門出を祝ってくれた。心遣いが心に染みた。「たくさんの人からメールが届くだろうから、返信はいらないよ」という大谷の申し出を“無視”し「ありがとう。早く治して1軍に戻ってこられればいいね」と激励の言葉を返した。「大谷君とはお互い一緒に高め合って成長していければと思っています」。プロの舞台で相まみえる日を待ち望んでいる。

 「プロ1勝でほっとしたというより、ここから始まると思っています」

 反響の大きさで、いっそう気持ちは引き締まった。次の出番は、再び快投を演じた甲子園(21日ヤクルト戦)で巡ってくる。剛腕伝説は、まだ始まったばかりだ。【堀まどか】