無人の室内練習場で黙々と白球と向き合った。阪神の新井貴浩内野手(36)が15日、約1時間の打ち込みを行った。「だんだん良くなってきたので。やっておきたいことがあった」。決戦の地東京へ向かう前、甲子園に寄って納得がいくまでバットを振り続けた。

 右肩の故障などで出遅れたが、ギリギリで開幕1軍に間に合わせた。弟良太が負傷離脱した7日広島戦からはスタメン出場。打率1割5分6厘と実戦勘を取り戻すのに時間がかかったが、3試合連続安打中とエンジンがかかってきた。

 「1試合1試合を大事に戦っていくだけ。どっちも投手がいいし、いつも通り1点ずつしっかり取っていくような戦い方になる」

 東京ドーム12連勝中の巨人の反撃も想定しながら、阪神らしい戦い方を強調した。良太が復帰し、コンラッドを含めた3人でのポジション争いが再開。虎の主砲を務めてきた誇りと意地を、見せつける時がきた。