今季初の9連戦、先陣を切るのはもちろんエースだ。今日23日の中日戦に先発する阪神能見篤史投手(33)は、自らに完投ノルマを課した。「長いイニングを投げられるようにしたい。結果が伴わないとダメ。完投できるように」と言い切った。

 昨季チームは中日戦で7勝16敗1分けと圧倒された。ナゴヤドームでは開幕から引き分け1戦を挟んで8連敗。9月まで1度も勝てない惨状だった。だからこそ能見も「今年、最初のナゴヤドームですし」と気を引き締める。能見自身は昨季2試合で1勝。10イニングで無失点だった。チームにとっては長らく鬼門だが、好相性のマウンドはプラスに働くだろう。

 3カード、9連戦の初戦だけに、できるだけ長く投げて、救援陣の酷使を避けたい狙いもある。中西投手コーチも「(連戦の)頭もエース。長く投げてもらうに越したことはない。エースがいいスタートを切ってくれれば、いい格好で終わるだろう」と期待を寄せる。チーム防御率は12球団トップの2・01で、鉄壁の1点台もすぐそこだ。

 実は昨季の中日戦全24試合で、3点差以内は21戦。競り合いを数多く落としてきた。能見は言う。「接戦が多い。その中で大量失点しないように。こっちが点を取るまでゼロで行けるようにしたい。点を取られなければ代えられない」。巨人戦では9日甲子園で完封勝利を挙げつつも、16日東京ドームでは6回4失点で降板。打者としてフルスイングして手がしびれ、爪が割れても力投した結果だった。その後遺症もなく甲子園でキャッチボールなどを行い最終調整して名古屋入りした。完投を目指し、奮闘するつもりだ。