<巨人0-5阪神>◇7日◇東京ドーム

 超スッキリなG倒だ。阪神が「残塁0」で伝統の一戦を制した。3本塁打を含む4安打で5得点。残塁10だった前日6日から一転、効率良く貯金を今季最多の5とした。昨季わずか1勝だった東京ドームでは、2年ぶりの巨人戦勝ち越し。クリーンアップが音無しでも苦手杉内を攻略した。虎党歓喜の「六甲おろし」は、和田豊監督(50)の声をかき消すほど最大のボリュームだ。

 和田監督

 ここにきて東京ドームで空中戦ができるようになった。これができると巨人に対抗できるしね。トリもそうだし、大和や最後の西岡も執念でよく守ってくれた。さすがだね。

 巨人のお株を奪う本塁打攻勢を掛けた。指揮官は豪快な「攻」だけでなく、緻密な「守」に目を細めた。2回1死から、鳥谷は難しいゴロを続けてさばいて安打にしなかった。大和は8回に後方のライナーを背走キャッチ。西岡は7回、新井良の乱れた二塁送球をしっかりつかんで併殺を完成させ、最後も阿部の打球を好守で締めた。攻守に文句なしの快勝だった。

 まだ手綱は緩めない。巨人に同一カードで3連勝したのは10年4~5月の甲子園が最後。東京ドームでは、07年9月以来ない。ゲーム差は3・5まで迫った。ここにきて全く元気のない相手をたたくには、絶好の状況がやってきた。

 和田監督

 巨人サイドからすれば、1勝2敗では痛くもかゆくもないと思うから。明日だね。もう1つ取って、3つという気持ちでいる。

 和田阪神初の貯金6をかけて、送り出すのは「巨人キラー」の榎田だ。先発転向した今季は巨人戦に2戦2勝。計15回1/3を1失点に抑えている。1日広島戦は四球で乱れた左腕は「攻めの四球はありだけど、丁寧に行き過ぎての四球はダメ」と反省を生かす意気込みを見せた。早くも昨季と同じ5勝目を挙げた巨人戦。交流戦前最後となる宿敵との戦いを、歴史的な白星にする。【近間康隆】

 ▼阪神が08年8月13日、巨人戦(東京ドーム)以来5年ぶりの残塁「0」で巨人に勝った。08年は2回、4回、5回の3度、安打と四球で出塁したが、いずれも併殺に終わり、延長10回に2四球から金本が3点本塁打を放ち、残塁「0」に終わった。7日は3回藤井のソロ、4回は安打と四球の走者を新井の3ランで、7回は新井のソロ本塁打で得点し、残塁「0」だった。

 ▼阪神が連勝。東京ドームでの巨人戦同一カードでは11年5月3日~5日以来の勝ち越し。今日8日も勝てば07年9月7~9日以来の6年ぶり3連勝。