<楽天1-0ヤクルト>◇19日◇Kスタ宮城

 34分も待ったかいがあった。楽天永井怜投手(28)が今季初勝利を挙げた。随所でカーブを低めに決め、ヤクルトを8回4安打無失点。最少リードを保ち、9回を新守護神ラズナーに託した。だが、1死後に雨で中断。「ラズナーが抑えてくれると信じてました」。再開後は2死二、三塁のピンチも、最後は畠山が二飛。ようやく、笑顔が出た。

 この日までの時間を思えば、9回の34分間など一瞬かも知れない。昨年8月14日以来の勝利だ。今季も開幕2軍。肩を痛め2軍だった昨季とは、わけが違う。「手応えはあった」のに、声がかからない。それでも腐らず、6日に今季初昇格。「我慢」を可能にした3つの物事があった。

 1つめは“自信”。最速は130キロ台後半でも、直球の質に何よりこだわった。2軍戦では、1軍クラスに直球を多投。ロッテ荻野貴にカウント2ボールから見え見えの直球を投げ、空振りを奪ったことも。「調子良いぞ」と自らを奮い立たせた。2つめは“したたかさ”。「チームが沈んでいる時こそ、チャンス。出番が来る」と信じた。もちろんチームの勝利を望むが、自分も上で投げたい。競争心を隠さず、気持ちを切らさなかった。そして、“家族”。「いてくれるだけで元気になる」という愛娘は、今日20日が2歳の誕生日。前祝いになった。

 かつて、岩隈、田中と3本柱を形成した。チームに今季初の無失点勝利をもたらしたが「調子は普通です」。その言葉が、手薄な先発陣に大きな1枚が戻ったことを示している。【古川真弥】