<日本ハム2-1巨人>◇20日◇札幌ドーム
巨人先発杉内俊哉投手(32)が、天敵にやられた。同点の7回だ。連続三振で2死無走者。6番の大引だった。オリックスから移籍した守備の男は、前日から2つも打順を上げていた。2球目。初球から続けたスライダーだった。打席内で、クルリと回転された。左翼席に決勝の1号ソロを落とされた。「う~~ん。うまく打たれた。調子は悪くなかったけど」と杉内。原監督も「いいピッチングだった」と2回続けた。試合中から「スライダーのキレが非常にいい」とみていた川口投手総合コーチも「うまく(体が)回られた。打った方がうまい」とうなった。
この本塁打で、杉内VS大引の通算対戦成績は25打数11安打、打率4割4分に跳ね上がった。
本人の言葉通り、立ち上がりから好調だった。ただ大引にだけは、第1打席の初球から思い切ってスイングされ、中前打されていた。オリックス出身らしくスイングが強く、かつ絞り球も明確。好相性と好調を背景に、根元から食い込んでくるスライダーを難なくさばかれた。
相手先発の木佐貫とは、98年夏の高校野球、鹿児島県大会決勝以来の投げ合いだった。鹿児島実のエース杉内は、川内(せんだい)の剛腕・木佐貫に投げ勝つため、大会2日前にスライダーを覚えた。久しぶりのマッチアップに「当時と比べて…、お互いに年を取りましたね。勝てれば良かったんですけどね」とつぶやいた。打倒木佐貫を目標として習得したスライダーは、杉内の代名詞になった。15年後、その代名詞を天敵に打たれ、木佐貫に屈した。【宮下敬至】



