<ロッテ6-6阪神>◇22日◇QVCマリン

 驚きの伏兵弾がビッグイニングを呼んだ。逆転で1点リードした直後の4回2死一、二塁。阪神柴田講平外野手(26)は内角高め直球を強振した。打球はセンターからホーム方向に吹く5メートル前後の風に負けず、右翼ポール際中段席に着弾。プロ5年目、387打席目での初本塁打が貴重な3ランとなった。

 柴田

 打席に向かう前に、関川打撃コーチから「打撃練習の精神状態で行け」とアドバイスをもらい、すごく楽な気持ちで打席に立つことができました。

 17日に今季1軍初昇格。19日西武戦の7回1死二塁から中前打を放ち、三塁で止まった二塁走者を確認せず、一塁から飛び出して憤死した。直後に懲罰交代。それでも前を向く。

 柴田

 おじさんからもらったあの手紙を見た時は泣きそうになりましたよ。

 11年8月14日の神宮球場。5点リードの9回2死満塁から平凡な中飛を落球。走者一掃の適時失策となり、眠れない夜を過ごしていた時、ある男性から手紙が届いた。「あのエラーから、めげずに頑張っている姿が励みになっています」。失敗しても絶対に下を向かない。そう決めた。

 12年1月の沖縄自主トレ中に左肩痛を発症。2月の高知2軍キャンプ中にはアルバイトの男性と2人きり室内練習場のマシンでバント練習。「もう悔しくて…」。無意識に左肩をかばって10球に1球しか決められず「あ~っ!」と叫んだ時もある。つかみかけていた中堅レギュラーの座は今、完全に奪われた。だからといって、自暴自棄になるわけにはいかない。

 試合前には国際武道大時代のマネジャーと再会。大学時代を過ごした千葉で、友人も見守る中で3安打3打点だ。「正直、(初本塁打の)実感はないです。うれしいのはうれしいけど、明日もあるので」。失敗しても、へこたれない。成功しても、浮かれない。【佐井陽介】<柴田講平(しばた・こうへい)アラカルト>

 ◆生まれ

 1986年(昭和61)7月17日、福岡県北九州市。

 ◆球歴

 福岡工大城東から国際武道大に進み、08年ドラフト2位で阪神入団。

 ◆大失策

 11年8月14日のヤクルト戦(神宮)9回2死満塁で、平凡な飛球を落球し走者一掃の適時失策。1点差で勝ったが、抑えの藤川に深々と謝罪した。9月14日の中日戦でもグラブに当て落球。24日巨人戦で走者一掃の三塁打を放ち、初のお立ち台では「皆さんには大変ご迷惑をかけています!」と公開謝罪した。

 ◆サイズ

 177センチ、75キロ。左投げ左打ち。推定年俸1500万円。