<ロッテ6-6阪神>◇22日◇QVCマリン
サヨナラなんて、ごめんだ。別れを拒む色男のように、阪神筒井和也投手(31)が炎のロング救援でドローに持ち込んだ。柴田のプロ1号3ラン、マートンの4号ソロと5回までに5点リードの楽勝ムードが「逆転のロッテ」に追い上げられ、9回に久保が同点2ランを浴びた。延長10回から6番手の左腕筒井が3イニングを外野にすら飛ばさせずパーフェクト。絶体絶命で負けなかったのだから、よしとしようや。
肩にバッグをかけ、黒髪は汗びっしょりだった。死力を尽くした筒井は放心状態でバスに向かった。5時間12分の大熱戦。試合が終わったとき、バックスクリーンの時計は午後11時27分を指していた。
パ・リーグの首位ロッテの勢いに押され、5点リードを守れず敗戦寸前に追い込まれた。そんな窮地を救ったのが、セットアッパー左腕だった。
筒井
1つずつ、しっかり勝負できた。どんな場面でも同点ですから。マウンドに上がれば、先頭を打ち取ることしか考えていない。ボールどうこうより、1点取られたら終わり。勝負したということです。
予想外の展開だった。2点リードの9回に抑えの久保が井口に同点2ランを浴びた…。その後も3四死球で満塁になる。何とか、しのいだが完全にロッテのペースだ。流れを食い止めたのが延長10回からマウンドに上がった筒井だ。とにかく力で押し込む。先頭岡田にオール直球で勝負し、高め直球で空振り三振に抑える。根元も直球で空を切らせた。まさに仁王立ちだ。12回の2死後、川本から空振り三振を奪い、ゲームセット。負けなかった事実がせめてもの収穫だった。
もつれにもつれた非常事態で、筒井に勝敗の行方を委ねた。3イニング目も引っ張り、合計9人から4三振を奪う完全投球。和田監督も「現状では精いっぱいの継投。追いつかれてから、筒井がよく頑張った」とねぎらった。すでに加藤、安藤、久保と勝ちパターンの中継ぎはつぎ込んでいた。中西投手コーチも「明日は使わないと決めて3イニング行った」と説明。首脳陣が素早く決断し、サウスポーも期待に応えた。
勝てなかった。でも、負けなかった。意味のあるドローゲームになった。首位巨人が楽天に敗れたため、2ゲーム差。まさに総力戦。今季両リーグ最長の死闘の末、和田阪神が半歩前進した。【酒井俊作】



