待望のルーキー対決へ。1軍初登板を果たした日本ハムのルーキー大谷翔平投手(18)が、いよいよ本格的に二刀流への道を歩み始める。栗山英樹監督(52)が入団当初から抱いてきた投手と野手の起用が、23日の投手デビューで現実になった。明日25日からは阪神戦(甲子園)が控える。大谷は26日に野手として出場する予定で、先発が予定されている藤浪との黄金ルーキー対決が実現する。
座右の銘である「夢は正夢」を確信しただろう。野球ファンの多くに、理解を得た自負もあった。栗山監督は、大谷の迫力満点のデビューの感想にまずは3度、禅問答を繰り返した。「皆さんに見ていただいた通りです」。あえて私見を避け続けたが、最後の最後にはかみしめるように本音を吐露した。グッと上を見上げ、語気を強めた。「なぜ2つやらせたかが分かってもらえたと思う」。
二刀流という特異な挑戦。批判の声があることも、栗山監督は分かっている。だが、大谷を大成させることを「オレの使命」と言う。「オレは何を言われてもいいけど、どうして若者の夢を、応援してあげられないのか…」。周囲からの雑音には本気で憤り、苦悩したこともあった。だから栗山監督が与えた、この日の大谷へのハードルは「結果を求めていない」。ありあまる潜在能力を解き放ち、二刀流が実現するという可能性を示すことだった。
球団の周囲の予想よりも早くこの日、デビューの舞台をお膳立てした。栗山監督が最終決断し、踏み切ったという。信じていたように、投手として可能性を証明してくれた。一息つく間もなく、次のステップへと上げる。今日24日のオフから一夜明けた25日、大谷の思い入れある甲子園での阪神2連戦がスタート。同カードでは今度は野手として、二刀流の運用を図る。
夢の対決から仕切り直す。セ本拠地でDH制はなく、先発出場ならば守備に就くことが条件。初戦は投手としての負担を考慮して代打待機などになりそうだ。高校時代からのライバル、阪神藤浪の先発が決定的な26日の2戦目で、野手としてスタメン起用が濃厚だ。投手としての次回登板は、中10日など十分な登板間隔を空けて再度、1軍になりそう。栗山監督は言う。「オレは2人の大谷翔平がいると思っている」。無限の可能性を秘めた18歳と、夢にあふれた二人三脚を続けていく。【高山通史】




