<ロッテ1-7阪神>◇23日◇QVCマリン

 千葉の海風が助っ人を覚醒させた。虎の4番マット・マートン外野手(31)が初回に電光石火の先制適時打。前夜22日の延長12回、5時間12分のドロー疲れもなんの、今季2度目の4安打固め打ちでロッテをかみ砕いた。交流戦に入って失速していたが、好相性のQVCマリンで復活。猛打賞は2戦連続の今季11度目。アイラブチバ!

 サンキューチバ!

 激闘の傷は、1秒でも早く消し去った方がいい。4番マートンが初回、前夜の疲労を吹き飛ばした。2死二塁、ロッテ唐川の外角スライダーをお手本通りのセンター返しだ。「とにかく先制点が欲しかったからね」。先制の中前適時打を決め、一塁ベース上でパンッと両手のひらをぶつけた。

 前日22日ロッテ戦は5点リードを追いつかれ、5時間12分にも及ぶ延長12回を引き分けた。一夜明け、電光石火の先制劇はナインに活力を与えたはずだ。1点リードの3回1死一、二塁からは右中間フェンス直撃の適時二塁打を放ち、この回4得点のビッグイニングも作り出した。4安打と大暴れ。ヒーローインタビューでは日本語連発で幕張の夜を盛り上げた。

 マートン

 オオキニ~!

 マイニチ、ボチボチデンナ~!

 タイガース、ウイン、イチバンネ~!

 来日4年目、走攻守すべてに躍動感を取り戻した。左翼守備では好プレーを度々披露。積極的な走塁も目立ち、昨季2個だった盗塁は46試合で4個を数える。

 マートン

 足が良くなったのが大きい。太もも、ふくらはぎの痛みがないしね。体重を減らして足への負担が減って、走りやすい部分もある。そもそも高校時代は足が速かったんだよ?

 昨季は開幕前に左太もも裏を痛め、尾を引いた。オフに体重を4キロ減らし、過去最軽量の100キロ前後で来日した変化は吉と出た。

 少年時代はケン・グリフィーJrの大ファンだった。「帽子のツバを逆さまにして、球宴のホームランダービーでかっ飛ばす姿が格好良くてね。外野守備もうまくて、足をケガするまでは走塁も良かったんだよ」。もともとは走攻守3拍子そろった選手が理想像。この日は8回2死一、二塁から井口の大飛球にジャンピングキャッチを決めた。

 交流戦開幕から6試合で3安打1打点に終わっていたが、昨季まで打率4割7分8厘と相性の良かったQVCマリンで2戦連続3安打以上。「年に2試合しかない球場。理由は分からないよ」と照れ笑いだ。

 今季11回目の猛打賞。10年ロッテ時代の西岡がマークした日本記録27回を上回るシーズン34回ペース。「まだ5月。先は長いし、いい形でシーズンを終われたらと思うよ」。首位巨人に2ゲーム差。猛虎の中心には、整備完了した安打製造機がいる。【佐井陽介】

 ▼マートンが今季2度目の1試合4安打で、11度目の猛打賞。12球団唯一の2桁回数で、年間144試合換算で34度というハイペース。シーズン最多セ・リーグ記録は、07年ヤクルト・ラミレスと10年阪神マートンの各24度、プロ野球最多は10年ロッテ西岡27度。大幅更新の期待が膨らむ。