エッ、大谷より中田さん!?

 24日、阪神ドラフト1位の藤浪晋太郎投手(19)がライバルの二刀流ルーキー、日本ハム大谷翔平投手(18)への「無関心」を装った。背中と腰の張りを訴えて5月中旬に出場選手登録を抹消されたが、26日の日本ハム戦(甲子園)での先発復帰が決定的。前日23日にプロ初先発した大谷が打者としてスタメン予定で直接対決に注目が集まる。それでも「大谷は気にしていない。それより3、4番」と話し、大阪桐蔭の先輩・中田翔内野手(24)を警戒した。

 甲子園の室内練習場で打撃練習を終え、ロッカーへと引き揚げる際、藤浪は周囲の思惑を見透かしたように、自ら切り出した。「大谷は特に気にしていないですよ。中軸というわけでもないので。それよりも3、4番をしっかり抑えられるように」。26日の日本ハム戦で控える復帰登板。視線の先にいるのはライバルの大谷ではなく中田なのか?

 大型新人は話題性に浮かれず冷静だ。本人にとっても待望の対決のはずだが、私情よりチームの勝利を最優先する決意だ。

 投手・大谷は23日のプロ初先発で最速157キロをマークしたばかりだが、打者・大谷への注目も集まる。和田監督は「非凡なものを持っているというのは間違いないし、かつ、数字も残している。3割以上、打ってるんじゃないの?」と警戒する。今季はここまで打率3割8厘。打者としての力強さも見せるが、藤浪は大谷よりも「中田封じ」を重視し、勝利を求める。

 打者・大谷はおもに7、8番の下位で先発出場。勝敗に直結するという意味で、パ最多の12本塁打を量産する4番中田に神経をとがらせている。23日も同点弾をかっ飛ばした。言わずと知れた大阪桐蔭の先輩スラッガーだ。「4番打者なので、しっかり抑えたい」と力を込めた。開幕ローテーションでフル回転して3勝を挙げたが、5日ヤクルト戦(甲子園)を最後に1軍戦から遠ざかる。登録抹消後、21日の育成試合四国ILplus選抜戦で調整登板。中西投手コーチも「肩や肘の問題で外れているわけじゃない。球数の制限もない。今まで通りやってくれれば」と話す。状態も整え、万全で復帰戦に臨めそうだ。

 もちろん、大谷の力量を軽視しているわけではない。昨年のセンバツでは被弾。超高校級の打撃を痛感した。それでも負けなかった。プロ入り後も甲子園での不敗連勝をキープし続け、高校時代から聖地では13戦無敗。ライバルを迎える一戦で負けるわけにはいかない。今日から阪神連勝、巨人連敗となればセ同率首位に立つだけに、勝負にこだわるのは、なおさらだ。

 4月14日、初勝利を挙げた際には大谷から祝福メールが届くなど、お互いを認める間柄。大谷が最速157キロを出した前日23日の剛腕ぶりもテレビのニュースでチェック。「見ましたよ。すごいとしか言いようがない」。かつて、球界には数々の名勝負があった。村山対長嶋、清原対伊良部…。舞台は1年前にしのぎを削った甲子園。藤浪と大谷が新たな伝説の1ページ目を記す。【酒井俊作】