西武渡辺久信監督(47)が、魂の130球で停滞気味のチームに活を入れた。24日、西武ドームで行われた全体練習の冒頭、バント練習のマウンドに立った。この日の朝に登板を志願し、外国人選手、栗山、片岡を除き、打者10人を相手に約30分間の熱投。指にマメ、右足をつりながらも、気迫で投げきった。「目いっぱい、持っている力を出したよ」と汗びっしょり。練習日は和やかなムードが流れがちだが、緊張感が漂った。

 ボールに、投げっぷりに、選手へのメッセージを込めた。犠打、スクイズを想定する選手を相手に、直球、カーブ、スライダー、フォーク、シュートを織り交ぜる全力投球。「普段と同じことをやってもと思ってアクションを起こしただけ。前から投げれば、もう少し速くなるけど、正規のところから投げることに意味がある」と説明。光山作戦兼バッテリーコーチは「選手が何を感じるか。感じたことを試合で出してもらえれば」と奮起に期待した。

 前回カードの広島戦では記録に残るバントミスが2つあったが、技術向上とともに、シーズン終盤を見据えた、心の「骨太化」も狙いの1つだった。渡辺監督は「バントは気合だよ。たぶん、次にやる人間はすごくプレッシャーがかかると思う。でも、これが本当の勝負になった時、生きてくる」と語気を強めた。浅村は「すごく緊張感があったし、監督が気持ちを入れて投げてくださって、自分も気持ちが入った」と感謝。5月は6勝12敗と苦しむチームに、闘魂が注入された。【久保賢吾】

 ◆ナベQ愛の改革

 最下位だった昨年の6月1日、予定では休養日だったが、急きょ全体練習に変更。早朝に遠征先の広島を出発し、新幹線、車を乗り継ぐなど、5時間以上の長旅を経て、西武ドームで汗を流した。「予定があった人は申し訳ない」と謝罪。自らバットを握って、ノックを行った。また、優勝争い中の9月19日には、1軍メンバー全員参加の決起集会を開催。前日18日の試合前に帰京した岸、左尺骨骨折でリハビリ中の主将兼選手会長の栗山を電話で呼びよせ、結束を高めた。