楽天星野仙一監督(66)が19日、仰天プランを切り出した。「仙台に動物園はあるのか?」。選手に気分転換を勧めるのかと思いきや、そうではなかった。「キク(菊池)に虎とにらめっこさせろ!」。今季1勝5敗で防御率7・09と結果の出ていない右腕に、猛獣との“戦い”を命じた。常々「素質はある」と褒める投手だが、精神力の弱さを感じている。恐怖体験に耐え、精神力を鍛えるための指令だった。

 猛獣とのにらみ合い。過去には、長年レスリングの会長を務めた八田一朗氏(享年76)が選手にライオンとにらみ合いをさせて心身を磨き、五輪で金メダルを量産につなげた例がある。星野監督も「八田さんだろ?」とスパルタ練習で有名な八田イズムを理解しており「今の選手は追い込まれてない。そういう練習をしないといけない」と力説した。実際、同監督も明大時代に、罰として長時間の正座など厳しい“指導”を受けてきた。それでも「理不尽なことから学ぶこともある」と、耐え忍ぶ力を身につけたという。

 仙台市内には八木山動物園があり、園内にはスマトラトラ、ライオン、ホッキョクグマなどが飼育されている。ガラス越しに間近で見ることも可能だ。「(にらめっこで)生肉を持たせるのもいいな。俺も(7月中旬の)球宴休みで行こうかな」と闘将はニヤリと笑った。現在チームは2位と好調だが、パ・リーグは4位まで4ゲーム差と混戦だ。明日21日からはソフトバンクと3連戦が始まる。選手に猛獣にも負けない精神力があれば、激戦も勝ち抜ける!?【斎藤庸裕】