ソフトバンクが左腕2枚を緊急補強した。25日、甲藤啓介投手(29)を交換要員としてオリックス吉野誠投手(35)をトレードで獲得した。さらに新外国人選手として先発左腕、ポール・オセゲラ投手(29)を獲得した。

 左のリリーフ補強を目指すソフトバンクと、中継ぎも、先発もできる投手を求めるオリックスの思惑が合致した。シーズン中に同一リーグ、同ポジション、同じ背番号「48」同士での駆け込みトレードが成立。吉野はプロ14年で通算340試合と経験が豊富。小林至・海外兼中長期戦略部長は「岡島の穴が埋まらず、開幕前から懸案材料だった。その候補の1人」と話し、2軍での動向を調査していた。

 昨年56試合で2セーブ24ホールドの岡島は米球界への復帰を希望して退団。WBC組の森福が前半戦で安定感を欠き、ファルケンボーグは背中の張りで離脱、岩崎は中継ぎから先発へ再転向したばかりと、救援陣は流動的な要素を抱えてきた。シーズンの疲労が蓄積する時期でもあり、ベテラン左腕の加入は大きい。

 オセゲラは140キロの直球とカーブとスライダー、チェンジアップを組み合わせ、打者を打たせて取るタイプ。今季はメキシカン・リーグのレイノサで19試合に登板し、8勝7敗、防御率3・00。王球団会長は「メキシコは打者もいい。その中で目立つのはいいこと」と潜在能力に期待を寄せた。26日に来日し、27日に吉野とともにヤフオクドームで入団会見に臨む。

 ◆吉野誠(よしの・まこと)1977年(昭52)11月19日、埼玉生まれ。大宮東から日大を経て、99年ドラフト2位で阪神入団。03年に56試合に登板し、リーグ優勝に貢献。07年オフに浜中とともに平野恵、阿部との交換トレードでオリックス移籍。11年に50試合、12年には40試合に登板も、今季は1試合の登板。182センチ、86キロ。左投げ左打ち。

 ◆ポール・オセゲラ

 1984年1月6日、米カリフォルニア州出身。ラコスタキャニオン高-カリフォルニア大を経て、06年ドラフト16巡目でジャイアンツから指名。主にマイナーリーグでプレー。ソフトバンクとの契約期間は今季末までで、推定年俸は2500万円プラス出来高払い。背番号は未定。183センチ、81キロ。左投げ左打ち。