中日川上憲伸投手(38)が、ついに1軍の舞台に帰ってくる。22日広島戦(ナゴヤドーム)に先発することが19日までに決定。今季初の1軍登板だ。高木守道監督(72)は「悪かったら、またということはないでしょ」と、今後について重要な一戦と位置づけた。昨年10月5日の広島戦以来、およそ10カ月ぶりとなるレギュラーシーズンの登板は大きな意味を持つことになった。

 崖っぷちに立っている38歳川上が22日広島戦(ナゴヤドーム)に先発する。今季初の1軍マウンドは、ただの試合ではない。この日、岐阜・長良川球場で練習を見守った高木監督はきっぱりと言った。「期待とか何とかより、やれるかやれんかにかかっとる。勝負や。悪かったら、またということはないでしょ」。期待ではない。来季も戦力になり得るのか。それを見極めるゲームになる。

 シーズン開幕から右肩痛で大きく出遅れていた川上は、7月28日のウエスタン・リーグ、オリックス戦(ナゴヤ球場)で今季初めて試合に登板。その後も巨人、阪神と2軍戦2試合に投げて計3試合で14イニングを10安打3失点(自責0)の成績を残している。球速こそ140キロ前後に止まっているが、緩急をつけた投球術は健在だ。今月11日の同リーグ阪神戦後には「僕自身としては、いつ言われてもいいと思っています」とコメント。戦う準備は整っている。

 現在2軍調整中の川上は明日21日に1軍に合流する予定。前日18日にはブルペン投球などで汗を流したが、2軍の練習がオフだったこの日は休養に充てた。今中投手コーチも「知らん。見てないから。今更見てダメやからやめとことはならん。若手やない」と、調整法も含めて38歳のベテランにすべてを任せている。

 リミットはない。同コーチは「上で投げる以上はいけるとこまで」と球数やイニングに制限を設けない方針。マウンドですべてをはき出せと言わんばかりだ。このまま結果が出なければ、「引退」の2文字も現実味を帯びてくる。22日広島戦が、大きな決断をするための判断材料となりそうだ。日本で115勝、メジャー8勝の123勝右腕が、運命の日を迎える。【桝井聡】