巨人辻内崇伸投手(25)が現役を引退する決意を固めていることが1日、分かった。辻内は同日、球団から来季契約を結ばない旨を通達された。以前から「ジャイアンツ以外で野球を続けるつもりはありません」と話していた。

 05年夏の甲子園で大阪桐蔭高の4強入りに貢献した辻内は、同年の高校生ドラフト1位でオリックスと競合して巨人に入団。最速156キロの本格派左腕として将来を嘱望された。07年に左ひじ内側側副靱帯(じんたい)の再建手術を受け、1年以上をリハビリに費やした。今季はキャンプ1軍スタートを果たすも左ひじ痛を発症。3月に患部の遊離軟骨を除去する手術を受けるなど故障に泣いた。

 25歳と若く、新天地でのプレー続行を模索する選択肢もあった。しかし辻内は、故障時のケアや海外ウインターリーグ派遣など、入団から一貫してサポートしてもらった球団に対する感謝の気持ちが強かった。巨人在籍の8年間で1軍登板はかなわず、ジャイアンツ球場で長期間のリハビリを余儀なくされた。つらさを一切態度に出さず、黙々とメニューをこなした。貫いた姿勢をセカンドキャリアで生かす。

 ◆辻内崇伸(つじうち・たかのぶ)1987年(昭62)12月5日生まれ、奈良県出身。大阪桐蔭3年夏に甲子園出場し、藤代戦で1試合19奪三振。05年高校生ドラフト1位で巨人入団。185センチ、88キロ、左投げ左打ち。今季推定年俸550万円。