<ロッテ2-4西武>◇1日◇QVCマリン

 負けられない西武に、光が差した。試合前、セットアッパーのウィリアムスが左前腕痛で急きょメンバーから外れた。ブルペンの緊急事態に、代役で指名されたのは大石達也投手(24)だった。2点リードの7回から登板し、プロ最速の149キロをマーク。力でねじ伏せて3者凡退に抑え、サファテ、涌井とつないで逃げ切った。2ゲーム差で追う3位ソフトバンクとの直接対決2連戦を前に、今季抑えを経験した3人による“新・勝利の方程式”の形が見えた。

 チームの窮地に、くすぶっていた10年ドラフト1位右腕が目覚めた。先頭の代打伊志嶺に対し、4球目と6球目に149キロを計測した。「スピードはよかったです。チャンスをもらっているのに、同じ失敗を繰り返してきた。絶対に点はやらないつもりでいきました」。大事な場面を任されて意気に感じ、なりふり構わず腕を振った。アマ時代に155キロを出した球速が戻らずに悩んでいたが、忘れかけていた感触がよみがえった。

 粘る伊志嶺を8球オール直球勝負で二飛に仕留めると、3番井口を捕邪飛、4番今江を中飛。拙攻続きで相手に傾きかけていた流れを、大石が引き戻した。杉本投手コーチは「8回のサファテ、9回の涌井までどうつなぐか。大石が今日くらいの投球をしてくれれば使える」と引き続き7回を任せる可能性を示唆した。

 今日から本拠地に戻り、3位ソフトバンクとの決戦だ。1つでも負ければ崖っぷちの状況に変わりはない。故障トラブルのウィリアムスは、当日の状態次第で計算しづらい。課題の試合終盤で大石が機能すれば、逆転CS進出も夢ではなくなる。【柴田猛夫】