<西武5-4ソフトバンク>◇3日◇西武ドーム

 悪夢再現…。ソフトバンクが前日2日と同じ同点の8回、同じ先頭打者、同じファルケンボーグの決勝ソロ被弾で4位転落、自力でのクライマックスシリーズ(CS)が消滅した。2連勝でCS進出が決まるはずだった西武との直接対決にまさかの2連敗。今日4日からの日本ハム2連戦(札幌ドーム)に望みをかける。

 ドラマではない。残酷な結果は現実だった。秋山幸二監督(51)がベンチで、内川聖一外野手(31)は次打者サークルで立ち尽くした。西武に2連敗。それはあまりに衝撃的な内容だった。

 3-3の8回。ベンチはファルケンボーグを送り出した。背部痛から復帰初戦となった前日も、同点の8回に登板し、先頭の栗山に決勝ソロを浴び、敗れた。高山投手コーチは「あそこで使うため調整させ(1軍に)上げた。迷いはなかった」と腹をくくっていた。

 打席には中村。カウント3ボール1ストライクから高めのつり球で空振りを奪った後の6球目だった。きれいに真ん中に入った直球は次の瞬間、バックスクリーン左で弾んだ。

 ファルケンボーグ

 直球が自分の一番いい球。昨日(中村から)三振を取った場面より、10センチほど低かった。昨日は制球ミスで(栗山に)打たれたが、今日はそこまで悪い球でなかった。

 被弾直前のように、直近の中村は直球にタイミングを取れず、この場面「真っすぐ一本に絞っていた」と明かしている。そこへ放り込んだ程よい高さの直球は、おあつらえ向き。中村の割り切りと、集中力に屈した。

 3回に逆転、5回に同点に追いつく粘りを見せた打線の奮闘はフイになった。来日5年目の助っ人右腕の2年ぶり2戦連続被弾という珍場面が、この大事な最終盤に起きた。たった1球、2試合の2球で2連敗。「1発で終わるのはなあ。1発は防ぎようがない」。そう言いながら秋山監督は「その後、抑えてるだろ」とかばった。残り2試合に勝って望みをつなぐしかなくなった。大きな敗北感を抱え、今季最終カードとなる北の大地へ向かう。【押谷謙爾】