中日ダニエル・カブレラ投手(32)が7日、史上3人目となる外国人開幕投手に名乗りを上げた。この日、中部国際空港発の航空機で母国・ドミニカ共和国に向けて出発。1年目に6勝を挙げて来季契約を結んだ203センチ右腕は、14年シーズン、竜投の柱になることを誓った。

 日本一早い「開幕投手宣言」だ。まだレギュラーシーズンも終わっていないこの時期に、カブレラの口から「開幕投手」というフレーズが飛び出した。この日の早朝に中部国際空港から帰国。人混みでも頭1つ、いや2つ突き出した大男は、目をギラつかせた。

 「開幕投手は名誉なことだからね。もちろんやりたい。僕だけじゃなくみんながやりたいと思っている。準備はしっかりしたい」

 話しぶりには自信がみなぎる。来日1年目の今季は開幕から3連勝と順調に滑り出したが、夏場には4カ月以上も勝ち星から見放された。そこから懸命に課題のクイックを克服。メジャー48勝のプライドを捨て今季6勝5敗、防御率3・09の成績を残した。

 すでに今季の2倍以上となる年俸95万ドル(約9500万円)で来季契約を完了。打者との対戦を重ねれば、飛躍的に勝ち星を伸ばす可能性がある。

 実力だけではない。日本野球に順応しようという姿勢を球団も高く評価している。こわもての見た目とは違い明るくておちゃめ。そして勤勉。この日もうれしそうに2枚のDVDをカバンから取り出した。

 「どんな変化球をどんなタイミングで投げているか。(カウント)3-2から何を投げているのか配球の研究をしたい」

 スコアラーに頼み込んで広島前田健と楽天田中の試合映像を編集してもらった。同じ右投げの本格派。日本人投手から何かを学び取ろうと必死だ。

 「とにかく健康でしっかり準備して持っている力を出し切りたいね」

 外国人開幕投手はドラゴンズの歴史の中でも86年郭源治、11年ネルソンの2人しかいない。シーズン中に右肘を手術したエース吉見が来季の開幕に間に合うかは微妙。オープニングゲームのマウンドに立つ可能性は十分にある。【桝井聡】