<西武10-2ロッテ>◇8日◇西武ドーム

 西武がCSファーストステージの本拠地開催権をかけた「10・8」決戦を2ケタ得点で大勝した。1回に浅村栄斗内野手(22)が先制の27号2ラン。4回には片岡、栗山、浅村の3連続適時打で突き放した。13試合連続で2点差以内での試合だったが、最終戦を2ケタ得点でフィニッシュ。崖っぷちの4位からはい上がった獅子が、猛烈な勢いで12日からのCSファーストステージに臨む。

 セレモニーの冒頭だった。大勢のファンが注目する中、西武渡辺久信監督(48)はマイクの前に立ち、選手の活躍をたたえた。言葉に込めた迫力が、壮絶な戦いであったことの証明だった。

 渡辺監督

 まだまだ発展途上で、ひ弱、ひ弱と言ってきましたが、終盤の戦いぶりを見ていて、本当に、本当に、ぶっとく、ぶっとく、骨太なチームになったと思います。

 昨季終盤、優勝争いを繰り広げながら、4年連続のV逸。CSファーストステージもソフトバンクに敗れた。勝負どころで強さを見せるチームに向け、掲げたスローガンは「骨太」だった。「まだチーム自体にひ弱さを感じる。もう少し、骨太のチームを作る」。そんなチームが、1年で変わったことをファンの前で堂々と認めた。

 「骨太」の象徴が、4番の浅村だった。5月29日のDeNA戦から、4番に抜てき。前日28日の同戦で攻守に精彩を欠き「カンフル剤」としての起用が始まりだった。昨シーズン序盤は不振から「打てなくて、いろいろ考えて、悩んだ」男が、4番の品格と重みを胸に刻み、「骨太」へ変身。渡辺監督から「110まで行け」と指令を受けたが、1回に先制の27号2ラン、6回にも適時打を放ち、約束通り、リーグトップの110打点に乗せた。

 最終戦を8月18日の楽天戦以来となる2ケタ得点で圧勝。勝てば2位が決まる「10・8」決戦だったが、13試合連続で2点差以内の試合を戦ってきたチームは、強く、たくましかった。崖っぷちの4位から猛烈なラストスパートで2位フィニッシュ。今季最多の8連勝で締め、西武ドームでCSファーストステージを迎える。渡辺監督はあいさつの席上、V逸に頭を下げ、力強く締めた。「日本一を目指して頑張りましょう」。骨太最終章は、日本一で完結する。【久保賢吾】