日本ハムのミチェル・アブレイユ内野手(34)が8日、心温まる恩返しプランを胸に、米国に帰国のため空路で北海道を後にした。11月中旬には故郷キューバへ帰って、野球道具を寄贈する。決して裕福ではない祖国のため、シーズン終盤から同僚へ呼びかけていた。「野球をやっている人に配りたいんだ」とグラブやバットなどの用具提供を懇願。理解を示してくれた仲間から、多くの寄付が集まっていた。

 胸を張って、故郷に錦を飾る。「チームメートに感謝したい。きっと喜んでくれると思う」。今年1月にキューバでは亡命者の帰国について規制緩和が施行され、帰国可能になった。テスト入団から、いきなり31本塁打をマーク。本塁打王の可能性も十分の助っ人は、ジャパニーズドリームを体現して、地元に凱旋(がいせん)する。

 来季も日本ハムでのプレーが確実だ。契約更新の選択権を持つ球団は、権利を行使する方針。その場合の契約条項として、年俸は推定2000万円から約2・5倍の5000万円程度で双方は合意している。

 今季は1発当たり約65万円だった優良助っ人だが、来季も最高のコストパフォーマンスを見せてくれそうだ。