三塁挑戦中の日本ハム中田翔内野手(24)に、スパルタ教育が課せられた。2軍本拠地の千葉・鎌ケ谷での秋季練習は14日、第2クールがスタート。坂道ダッシュなどの通常メニュー終了後、中田は強制で特守参加の指名を受けた。阿井ヘッドコーチの鬼ノックを約20分間、浴びるように受け続けた。

 タフな中田も、ダウン寸前まで追い込まれた。通常メニューを終え一息つく暇もなくグラウンドへ。金子誠、飯山のベテラン2人に交じって計47球を受けた。阿井ヘッドコーチから、3人1周りで残り5周の号令がかかると、必死に「3周!3周!」と慌てて短縮を懇願。終わったかと思えば、中田だけ追加4球のおまけが付いて極限までしごかれた。宮崎で報告を受けた栗山監督も「死んで、死んで。みっちりやってもらう」とニンマリするほど狙い通りのバテぶり。中田は汗をしたたらせ、やり遂げた。

 チーム屈指の内野手の先輩が一緒だけに、緊迫感も極限だった。飯山からは身ぶり手ぶりで捕球のアドバイスをもらいながら、持ち味の強肩で鋭い送球を連発。たまに捕球ミスすると金子誠にゲキを飛ばされ、尻をたたかれた。阿井ヘッドコーチは「金子、飯山と一緒にやることが、何よりもプラスになる」。今日以降も特守を行う予定。練習後は、球場から選手寮まで徒歩数十秒の距離を車で移動。疲労が限界に達したのか、休息を求めそそくさと帰路についた。【田中彩友美】