本拠地は打って勝つ。巨人打線が火を噴くときがきた。仙台から帰京した28日、東京ドームで全体練習を行った。庭に戻ったナインは、フリー打撃で気持ち良さそうに快音を響かせた。4番村田修一内野手(32)は「東京ドームに戻ってくれば勝率は上がる。打撃の状態自体はいい。ボコスカ打てればいいですね」と、第3戦以降を見据えた。

 枢軸を担う阿部慎之助捕手(34)も同調した。日本シリーズに入り、2戦で4打数無安打で「もう少しチームとして打たないと。この3連戦は打ち合うぐらいの覚悟でいく。ここで打てなければ勝てない」と、言い切った。第3戦に先発してくる楽天美馬は中大の後輩でもあるが「印象?

 ただ、後輩ってだけ」と意に介さない。当然ながら容赦なく襲い掛かるつもりだ。

 楽天の則本、田中に対した2試合では、計わずか7安打に抑え込まれた。だが、悲観には至らない。その7安打で、効率よく3得点を奪い1勝1敗のタイに持ち込んでいる。さらに、交流戦で1回6安打6失点でKOした美馬が相手となれば、バットマンたちの血が騒ぐ。村田は「球種は知っていますよ。部屋で映像を見て、右打者にどう攻めてくるかを確認します」と、標的をロックオンした。

 投手戦が繰り広げられたとしても、得点しなければ勝利はない。原監督は「いい投手にあたっているけど、ここというところで1本出るのが打線。ここというところで得点できる打線であってほしい」と、勝負強さを求めた。「仕切り直しで、いい緊張感の中、明日を迎えることができると思います」と、チーム状態に自信ものぞかせた。投手戦から乱打戦へのスイッチが勝敗のカギを握る。【為田聡史】