平田侍、日の丸が転機!

 侍ジャパンに選出された中日平田良介外野手(25)が熱い思いを口にした。「日本代表」はアジア王者となった05年AAAアジア野球選手権大会(韓国)以来。この大会では右肩を痛めた。今回は谷繁新監督が就任した新生中日の4番候補と期待を集める中での選出。猛アピールで竜の4番への道も切り開く。

 平田と日本代表には不思議な縁がある。大阪桐蔭3年だった05年秋。韓国でのAAAアジア野球選手権大会に出場した。決勝の韓国戦で右肩を負傷。優勝はしたが“痛い”大会だった。

 「ケガはしましたけど、優勝はできた。いい記憶といえばいい記憶ですね。最終日はみんなで観光に行ったんですけど、右手をつって行きました。やっぱり行きたかったんで」

 今となっては苦笑いで話せる思い出。その右肩は関節唇損傷の重症だった。結果、その年のドラフトで各球団の評価が下降。1巡目で一本釣りに成功した中日との縁ができた。ルーキーイヤーは右肩の状態もあり出遅れた。良くも悪くも野球人生の大きなポイントだった。

 あれから8年。縁あって入団した中日は新体制となった。谷繁兼任監督からも大きな期待を寄せられ、志願したフェニックスリーグで直接指導された。

 「(投手に)打たされる打席を減らせ。タイミングを外されても我慢しろと言われました。ずっとフェニックスリーグで意識してやってきました」

 侍の一員となり、同世代の仲間のそろう場で「自分をアピールしたい」と意気込む。同じ右の大砲として高校の2学年後輩、中田翔(日本ハム)もメンバー入りした。

 「分からないことがあれば翔に電話します。“翔さん”に。あいつはWBCにも行っているんで何でも分かっているでしょ」

 再び日の丸を背負う。けがを負った前回とはまた違った形での契機としたい。竜の4番へ-。国を背負って戦うが、肩肘張らずいつもの平田らしく行く。

 「雰囲気は高校の日本代表とはやっぱり違いますよね。でも、試合とかより台湾のメシが合うかどうかが心配。そっちのほうが心配ですね(笑い)」