西武牧田和久投手(29)が、球団の次期選手会長に内定していることが13日、分かった。現会長の栗山の任期満了に伴って、シーズン終了後から後任人事に着手。来季、プロ4年目ながら、高校、大学、社会人を経て、プロ入りをかなえた経験と3月に開催された第3回WBCで日本代表の抑えを任され、チームでも先発、抑えとして活躍した実績。野球への取り組みを含めた人間性を評価され、白羽の矢が立った。

 表向きにはクールに見えるが、責任感が強く、闘志を内に秘める。1年目のシーズン途中、渡辺監督(現シニアディレクター)から抑え転向の打診を受け、迷うことなく快諾。重圧のかかるポジションを気持ちの強さで乗り越え、チームのCS進出に貢献した。今季は先発を務めたCSファーストステージ3戦目で6回途中2失点の内容にも、涙を浮かべて降板。試合にかける情熱、決意を象徴したシーンだった。

 プロ4年目は球界でも早期での就任だが、チームからの信頼度、人柄を考慮すれば、自然な流れと言えるだろう。牧田について、栗山は「しっかりした考えを持っているし、野球にも真摯(しんし)に取り組む姿勢は素晴らしいと思う」と話したことがある。ポスティングシステムを巡って、騒動が起こったが、牧田は物事を深く考え、しっかりと発言できるだけに、求められる人物像と合致する。23日に西武ドームで行われるファン感謝イベントで発表する方向で調整中。牧田新選手会長の誕生がファンの前で発表される。

 ◆西武選手会長メモ

 慣例では2年とされ、00年以降は潮崎、和田、松坂、中島らそうそうたる選手が務めた。その中でも、最年少は06年に25歳で就任した松坂。メジャー移籍で任期は1年だった。社会人を経ての入団ながら、牧田の4年目はかなりのスピード就任で、人間性、信頼の高さがうかがえる。