阪神の秋季安芸キャンプで「藤浪限定」の映像解析が始まった。フォーム改良に取り組む藤浪晋太郎投手(19)のブルペン投球を、4方向からビデオカメラで撮影。解析用の動画を収めた。

 藤浪は11投手の最後にブルペンに入った。デジタルカメラの「カシャカシャ」というシャッター音が鳴り響く。ここまでは普段の光景だが、この日はさらに至近距離に迫るレンズがあった。中西投手コーチがビデオカメラを設置。2台のビデオカメラが1台は右打席から、もう1台はマウンドの三塁側から、二塁側、一塁側と場所を移した。ハリウッド映画の俳優ばり?

 に360度、全方向からの撮影。丸裸にされるような今までに無い経験にも、大物ルーキー藤浪は動じず。淡々と足を踏み出し、投球を繰り返した。ホームベース約2メートル前の捕手に向かって軽めに41球。今キャンプでは初めての振りかぶった投球も確認し「問題なかったと思います」と振り返った。

 キャンプ地で投手の投球を捕手後方からビデオで撮影するのは通例。だが複数のカメラで多方向から撮影を重ねたのは藤浪が初。中西コーチは「もちろん今日も見るけれど、今後のために」と活用法を明かした。この秋最大の目的が、踏み出す足が三塁側に入る「インステップ」の矯正。同時に左肩の位置など細かい部分を、4方向からの映像で解析する。この日の動きをベースに、変化を確認することが狙いだ。高卒1年目から2桁10勝を挙げた右腕の成長を「4D映像解析」でバックアップする。