阪神が来秋ドラフト超目玉の済美(愛媛)・安楽智大投手(2年)に密着マークすることが5日、分かった。来年1月4日、同校の練習初めに担当スカウトを派遣することが判明した。最速157キロの剛腕を巡って争奪戦は必至だが、真っ先に練習を見守り誠意を尽くす。

 今春のセンバツで準優勝に導き、7月26日には愛媛大会準決勝で自己最速の157キロをマークした。球団関係者が「あれだけの球を投げる投手はいない。打者よりも投手で成功するだろう」と高く評価する、高校球史屈指の剛腕だ。夏の甲子園は3回戦で敗れたが評価は変わらず。ドラフト1位の有力候補に位置づけており熱心に調査する。

 済美では4番に座り、夏の甲子園で敗れた日も右中間に豪快なアーチをたたき込んだ。力強い打撃にも定評があるが、阪神は投手としての適性を評価。制球も安定しており、187センチ、85キロと恵まれた体格もプロ向きだ。秋の18UW杯(台湾)ではキューバを10奪三振完封し、大舞台での勝負強さも証明した。超一級の素材だ。

 阪神は10年ドラフトから「甲子園の星」を獲得するドラフト戦略を描く。今季の新人・藤浪はいきなり10勝をマーク。大阪桐蔭で春夏連覇した力量をフルに発揮した。すでに甲子園で顔になった安楽にも、同じ期待が寄せられる。早大・有原航平投手(3年=広陵)らとともに1位候補に挙がる。逸材獲得に向けて、まずは正月早々の「安楽詣で」で本気度を示す。