楽天ドラフト1位の松井裕樹投手(18=桐光学園)が、壮大な夢を掲げた。9日、仙台市内で入団会見が行われた。会見場に現れた松井は、ひときわ大きな拍手で迎えられた。どんな投手を目指すかと問われ「田中将大投手です。無敗でシーズンを終われるような素晴らしい投手になりたい」。再び拍手が起こり、期待は膨らむばかりだった。

 無敗という言葉に、星野仙一監督(66)からは「そりゃ無理だよ」と冗談交じりに言われたが、すぐさま「そういう思いはいいよな」と褒められた。会見では座席が監督の隣で、「緊張しました」とやや表情は硬かった。写真撮影の時には「笑えよ」と頭をたたかれながらも、肩をもまれて緊張をほどいてもらった。「優しそうな方でした。良い意味で厳しい言葉もあり、身が引き締まる思いでした」と最後は笑顔で振り返った。

 将来的なビジョンも明確に示した。「日本代表として、日の丸を背負って戦える投手になれれば」と強気な一面ものぞかせた。投球スタイルも同じだ。「右打者のインコースに思い切り腕を振る、強気のピッチングを見て欲しい」と、田中のような攻めの投球を見せることを誓った。【斎藤庸裕】