プロ野球で来季実施する予定だった「試合中のベンチ前でのキャッチボール禁止」が、見送られる方針が固まったことが12日、分かった。5月の実行委員会で禁止することを決定。7月から2軍の試合で試験的に導入されたが、現場の監督や選手から「幼少期からキャッチボールで肩を慣らすことが習慣化している日本での導入は難しい」などと難色を示す意見が多く寄せられ、実施を断念した。16日の実行委員会で正式に見送りが決まる。

 試合中にファウルグラウンドで行う準備運動は試合を妨げる可能性があるため、野球規則(3・17)で禁止されている。米大リーグなど海外でも認められておらず、キャッチボールが黙認されてきた日本も1度はこれにならう方針を固めた。しかし、特に投手にとって長年の習慣を見直すことは簡単ではない。準備不足による肩やひじの故障を懸念する声は根強く、最終的には現場の意見を優先する形となった。

 予定通り実施されていれば広島前田健太投手(25)の「マエケン体操」も禁止となるはずだった。来年もユニークな体操を見られるファンにとっても、朗報と言えるかもしれない。