阪神が今季導入するチアリーディングチームの指導者として、本場米国のNFL(ナショナル・フットボール・リーグ)でチアガールを務めた小島智子さん(35)を招く方針であることが7日、明らかになった。正式決定すれば36年ぶりに復活する猛虎チアに本場のスピリッツが注入されることになり、チームの活性化にもひと役買いそうだ。

 猛虎が36年ぶりに発足させるチアガールにNFL魂が注入されるかもしれない。球団関係者によると、チアチームの指導者として、小島智子さんが最有力候補としてリストアップされており、近日中にも決定する可能性が高いという。

 大阪出身の小島さんはNFLのタンパベイ・バッカニアーズで03年から10年まで8季連続でチアリーダーを務めた。10年にはNFL史上初の日本人チームキャプテンに選出され、名実ともに日本を代表するチアリーダー。現在も大阪を中心にチアチームの指導者として活動している。

 球団では今回のチームについて、ダンス専門ではなく、阪神球団のファンサービスの中心を担える存在と位置づけている。試合開催時のファンの出迎えやリリーフカーの運転など総合的なファンサービスのスタッフが理想。「できれば(人気マスコットの)トラッキーらといっしょに地域の幼稚園などに出掛けていって、サービスしてほしい」(球団幹部)と、チームの顔になってほしい意向だ。

 だからといって球場で見せるダンスをおざなりにするわけではない。専属となるからには、他球団にも誇れるようなチームにしたい意向も併せ持つ。特に今季は甲子園球場でオールスター開催が予定されており、強力な指導者として小島さんに熱視線を送っている。

 阪神のチアチームは78年に結成されたことがある。当時は選考会が大阪ABCでの特別番組になるほど注目された。メンバーは、タンクトップにショートパンツ、白い長靴下というファッション。本塁打を放った選手を出迎えるなどの活躍があったものの同年、チームが史上初の最下位になったことなどもあり、わずか1年で消滅している。

 しかし現時点で、阪神と広島以外の10球団がチアチームを持つ現状に、近年は復活の必要性が球団内部で出ており、今回の復活となった。新たなファンサービスの核となるチアガールチームに、NFL経験のある小島さんの指導が加われば力強い味方になるのは間違いない。

 ◆小島智子(こじま・ともこ)1978年(昭53)3月23日、大阪府生まれ。立命大で応援団チアリーダー部所属。卒業後は、Xリーグの松下電工インパルス(当時)のチアリーダーとしても活躍した。03年、単身渡米しタンパベイ・バッカニアーズのオーディションに合格。同チーム日本人初のチアリーダーになった。現在は自身が主宰するチアダンススクールなどで指導している。