広島の新戦力はイケメン左腕だった。ザック・フィリップス投手(27=マーリンズ)が28日、マツダスタジアムで入団会見に臨んだ。最速155キロを誇り、先発、中継ぎのどちらでもOK。特徴的なあごひげに、人気俳優キアヌ・リーブス並のルックスが魅力的だ。左腕が手薄なチームで、力を発揮すれば、カープ女子のハートもわしづかみだ。

 広島の新戦力はハリウッドスターのように登場した。ダークなスーツに身を包み、両手をポケットに突っ込んだ。カールした長髪に、頬に迫るあごひげ。人気俳優キアヌ・リーブスを思わせるイケメン左腕だ。「フィリーか、ザックの『Z』と呼ばれていた。どちらでもいいよ」。マー君がファンのアイドルユニット、ももいろクローバーZではないが、広島の「Z」が人気を集めそうだ。

 野球に対する姿勢は優等生そのものだ。米球界では最速155キロの直球を武器に、中継ぎの役割を担った。広島は先発、リリーフともに左腕が手薄。そのチーム事情は理解している。「自分では中継ぎが効果的だと思うが、求められた所で準備したい」。親交のある元巨人のアルバラデホから背中を押され、日本行きを決意。同僚になるエルドレッドの連絡先を入手し、取材済み。球団から対戦相手のDVDをもらい、いち早く雰囲気をつかもうとしている。「(日米の)違いはないよ。野球は野球だ。日本の公式球でキャッチボールもしている。フィーリングはいいよ」。下調べは入念だ。

 広島の今季外国人は「Z」に加え、バリントン、ミコライオ、キラ、エルドレッドの5人。開幕まで外国人4枠を争うことになる。変化球はカーブ、スライダー、チェンジアップの3種類。「右でも左でも使える」と胸を張る。「マウンドに立つと、アドレナリンが出る。攻撃的になる」。イケメンの中に野性味をのぞかせた。

 今オフは走り込みやウエートで下半身を重点的に鍛えてきたという。スムーズにチームに溶け込めば、広島の投手力はさらに充実する。「ファンが盛り上がると、やってやろうという気持ちになる。ドンドン盛り上げてほしい」。熱狂的な応援はウエルカム。カープ女子ならずとも、その左腕でハートをつかむ。【田口真一郎】

 ◆ザック・フィリップス

 1986年9月21日、米国カリフォルニア州サクラメント生まれ。サクラメントシティカレッジから、04年ドラフト23巡目でレンジャーズに入団。11年にオリオールズへ移籍、13年はマーリンズでプレー。メジャー通算19試合で0勝1敗、防御率3・45。球種は直球、チェンジアップ、スライダー、カーブ。好きな日本食は寿司。趣味はゴルフ。183センチ、86キロ。左投げ左打ち。