<日本ハム10-6ソフトバンク>◇23日◇東京ドーム

 ソフトバンクの「被弾バッテリー」がそろってしかめっ面だ。4回1死一、二塁。寺原隼人投手(30)の初球スライダーは「真ん中に入ってしまった」と大引に難なく左中間へ。外角にミットを構えた鶴岡慎也捕手(33)はぼうぜん。すでにソロ2本を浴び、寺原は自身7年ぶりの3被弾で、リーグトップの6被弾。今季チーム最短の4回で降板。5失点で3敗目となり、「結果がすべて。何も言えません」と唇をかんだ。次回先発がローテ生き残りのラストチャンスになる。

 両軍で9発が飛び交う空中戦の幕開けは、大谷の先制ソロ。1回2死。1ストライクから高めの釣り球を打たれた。寺原は「もうちょっと高めが良かった」と悔やみ、鶴岡も「僕の構えが中途半端。意志をちゃんと伝えないといけない」とそれ以上に反省した。3回は西川に2ボールからカウントを取りにいった直球で再びソロを献上した。

 救援陣も打たれ、1試合5被弾。秋山監督は東京ドームでの対策不足を挙げた。「投げっぷりが悪い。今日は昨日に比べて湿気がなく、最初の(谷口の)センターフライも伸びていた。湿度がないし、低めに集めないと」。雨の影響で空気に湿りを帯びた初戦に比べ、快晴のこの日は元来の「球の飛びやすさ」に戻っていた。投手泣かせの環境をより考慮すべきとした。

 寺原の「1発病」により、チーム15被弾のうち日本ハムには5戦で10被弾と偏りがでた。うち9被弾で、マスクをかぶったのが日本ハムからFA移籍した鶴岡という皮肉な現象に、女房役は責任を痛感した。

 鶴岡

 本塁打を打たれるのは球場が狭いのもあるけれど、こう何発も打たれてはチームの士気にかかわる。防げたし、申し訳ない。いろいろ考えないとどこのチームにも打たれる。勉強したい。このままシーズンを終わるつもりはない。

 まだシーズン序盤。バッテリーで高い「勉強代」を生かせばいい。【押谷謙爾】

 ▼ソフトバンクが5本塁打を浴びて敗れた。5被弾は秋山監督1年目の09年5月13日ロッテ戦(北九州)以来。大隣が井口、西岡、竹原、ベニー、福浦の5人に本塁打を打たれ、0-7で完敗した。