<ヤクルト4-1楽天>◇26日◇神宮

 楽天星野仙一監督(67)が、持病の腰痛が悪化したため、ヤクルト戦を休養した。試合前に都内の病院で治療を受けたが、歩行が困難なため、苦渋の決断に至った。代行として、佐藤義則投手コーチ(59)が指揮を執ったが、投打に元気なく敗れた。4月19日以来の連勝を狙ったが、借金は再び今季最多タイの9に戻った。

 代行として、初めて指揮を執った佐藤コーチはため息をついた。「監督がみんなを集めて話をしてくれた。だから、今日は打ってくれると思ったんだけど。4回まで(安打)0本じゃ寂しいね」。監督不在の危機に打線の奮起を期待したが、空振りに終わった。大粒の雨にぬれながら、グラウンドから引き揚げた。

 星野監督は、この日も定刻に都内のチーム宿舎を出発。コーチ陣、選手とともに、チームバスで神宮球場に到着した。だが、腰は限界に来ていた。日中に都内の病院で治療を受けたが、歩くのもままならない状態。球場のクラブハウスで立花社長、安部井チーム統括本部長と話し合い、休養を決めた。首脳陣、選手を集め「みんなに迷惑をかけるが、今日1日、休む」と伝えた。試合開始前に球場を離れ、宿舎で静養した。

 就任1年目から、腰の痛みを抱えながら指揮を執ってきた。治療院に通ったり、余裕がある時は散歩したりと、体調維持には人一倍、気を使ってきた。ただ、ここ1週間ほどで痛みがひどくなったようだ。仙台から東京に移動した24日は、新幹線を降りて移動バスに向かう数百メートルをゆっくり歩くしかなかった。前日のヤクルト戦後に、さらに悪化。苦渋の決断に至った。立花社長は「本人が『もう歩けない』と。私から見てもそうだった」と明かした。

 1日も早い復帰が待たれるが、時期は未定だ。立花社長は「早くお帰りになっていただいて」と望みを口にしながらも、「次の巨人戦(28日)で、すぐ戻って来るようなことではないと思っている。しっかり対応しないといけない」と見通しを示した。今後も、オーダーや先発ローテは担当コーチが星野監督に報告し、相談しながら決めていく。主将の松井稼は「監督がいないからこそ勝ちたかった。次は巨人戦。初戦に全力で戦っていきたい」と決意を語った。勝ち星を星野監督に届ける。チームの総意だ。【古川真弥】