<楽天0-1ヤクルト>◇11日◇コボスタ宮城

 前評判通りのスピードだった。楽天の新外国人ライナー・クルーズ投手(27)がヤクルト戦(コボスタ宮城)で来日初登板を果たした。0-1の7回に2番手で登場。2死から連打を許したが、後続を断ち無失点で切り抜けた。最速は155キロを記録。自称最速102マイル(約164キロ)の片りんをみせた。

 速い!!

 クルーズは最初の1球で、日本のファンに強く印象づけた。0-1の7回、初めてのマウンドに上がった。ヤクルト荒木への初球は真ん中付近にいった。だが、150キロで見逃しストライク。2球目は、低めに152キロとスピードアップ。差し込んで、二ゴロに打ち取った。150キロ台の連発に、スタンドからは「おお!」と歓声が起きた。

 2死から迎えた石川への2球目で、この日の最速155キロを出した。もっとも、その石川には左前打を打たれた。投手に安打を許し、続く山田には右前打。ピンチを迎えたが、比屋根を二ゴロに仕留めて切り抜けた。1回2安打無失点。直球のスピードは、全て150キロ以上だった。「初めての登板にワクワクした。結果は0点。満足している。直球には納得した。もう少し、コントロールを修正したい」と反省を交えつつ、力強く話した。

 勝利の方程式を担う右腕として期待されている。チームは5位と苦しむが、まだシーズン前半戦。巻き返しの一手として、今月4日に獲得が発表されたばかりだ。2軍での調整もほどほどに、9日に1軍昇格。早速のデビューで、まずは結果を出した。佐藤監督代行からは「スピードは出ていた。あとは、変化球。これからに期待してみようと思う」と評価された。

 最大の武器はスピードだ。自己申告だが、今季初めに102マイル(約164キロ)を出したという。日本球界の最速記録162キロ(08年、巨人クルーン)の更新も不可能ではない。クルーズ本人も「更新できるかは分からないよ。球速に、こだわりすぎてもね。でも、自分の持ち味だから、楽しみにやっていきたい」。これからに注目だ。【古川真弥】

 ◆ライナー・クルーズ

 1986年11月1日生まれ。ドミニカ共和国出身。タイガース、メッツ、アストロズのマイナーをへて、12年にアストロズでメジャーデビュー。同年は52試合、1勝1敗、防御率6・05。メジャー通算72試合1勝3敗、防御率5・31。13年WBCにスペイン代表で出場。今季推定年俸2000万円。背番号49。184センチ、98キロ。右投げ右打ち。