<広島6-2楽天>◇19日◇マツダスタジアム

 楽天が、早くも自力優勝消滅の危機に立たされた。広島に連日の完敗を喫し、4連敗で今季最多の借金は15に増えた。これで、首位オリックスとは16・5ゲーム差。明日21日、(1)オリックスが勝ち、楽天が負けか引き分け(2)オリックスが引き分け、楽天が負け、のどちらかで、自力優勝の可能性が消える。

 序盤で失った流れは、最後まで取り戻せなかった。楽天は先発が先に点を失い、打線が抑えられた。前日18日もそう。おなじみの負けパターンとなってしまった。

 この日は、広島前田に、いいようにやられた。1回から150キロを超す直球を低めに集められた。球界を代表する右腕の前に、チャンスらしいチャンスをつくれなかった。腰痛から復帰即スタメン出場の銀次も無安打に終わり、「腕を振って投げていた。球も低めに来ていた」と認めるしかなかった。

 前田から奪った唯一の得点は、相手のミス絡みだった。6回、先頭森山が敵失で出塁。続く岡島は四球を選んだ。4点ビハインドだったが、藤田は犠打で1死二、三塁。次打者嶋の一振りで、まずは点差を詰める狙いに出た。ここで、嶋は中飛。きっちり犠飛で1点を返し、さらに二塁走者の岡島も三塁へのタッチアップを狙った。しかし、中堅からの送球は本塁ではなく、三塁へ。岡島が刺され、攻守交代。敵の好判断に、チャンスはついえた。

 低迷の原因はいろいろ挙げられるが、まずは打線のテコ入れが急務だ。交流戦中は、チーム打率が12球団最低の2割1分9厘にとどまっている。佐藤義則監督代行(59)も「もっと打たないと」と繰り返す。打てる手は限られているが、16日に獲得したばかりのラッツを1軍に合流させることを決めた。今季3Aでは、59試合で7本塁打。パンチ力に期待する。ジョーンズ、ボウカーとともに、外国人3選手の新打線で現状打破を狙う。

 交流戦のチーム防御率3・39は12球団5位と悪くない。ただ、前日の川井、この日の松井裕と、序盤で失点が重なれば苦しい。交流戦も2試合を残すのみ。休養中の星野監督にとって、思い入れのある甲子園での阪神戦だ。投打に踏ん張り、指揮官に勝利を届けたい。【古川真弥】