プロ野球セ・パ両リーグ戦が今日27日から再開する。阪神は本拠地甲子園で中日を迎え撃つが、肋骨(ろっこつ)骨折などから復活を目指す西岡剛内野手(29)は1番三塁で先発起用されることが濃厚になった。26日は1軍に合流し、全体練習に参加。約3カ月ぶりに戦列復帰となる切り込み隊長が、交流戦11位で勝率5割に戻った苦境を救う。

 交流戦11位に沈んだ和田阪神が「1番西岡」を起爆剤にする。貯金をすべて吐き出し、勝率5割に逆戻り。低迷を打破すべく、リーグ戦再開の今日27日中日戦で、西岡を1番起用することが濃厚になった。選手生命を脅かす故障を克服して復帰。練習前には温かい拍手で迎えられた。戦友と再会し、武者震いした。

 「1軍で戦っていく上でチームと一緒に明日から入るんだという意味では新鮮さもあります。明日というのは、自分の中で忘れられない1日になるだろうし、一生懸命やりたいですね」

 27日の復帰戦を1番で迎える。フリー打撃を見守った和田監督は「ほとんど芯を外さん。仕上がってるんじゃないか」と評し、打順は「剛だけの問題じゃない。つながりもある。それなりの打順になる。明日のお楽しみや」と濁す。ただ、ウエスタン・リーグの出場6試合はすべて1番に入り、実戦勘を養ってきた。今季は開幕3番だったが、現時点では、トップバッターでの起用が有力な状況だ。

 シートノックでは三塁守備について白球を追った。打撃後、再び高代内野守備走塁コーチから三塁でノックを受け、精力的に動いた。3月30日巨人戦で救急搬送され、入院生活も強いられた。鼻骨骨折、左肩鎖関節脱臼、肋骨骨折…。苦境を乗り越えて機敏に動き、周囲を安心させた。二塁上本との1、2番コンビで流れを変えたいところだ。

 「早く復帰するんだという一心でここまでやってきて、思ったより早く復帰できた。でも、結果を残さないと意味のない場所。結果を残して1軍に貢献したい」

 2軍戦は6試合に出場して打率3割5分だった。三塁守備、フル出場、連戦もこなし、頭からの帰塁もOKだ。準備完了。勝負師は戦場で生きざまを示す。

 ▼西岡の打順別打撃成績(先発時、日本球界のみ)では1番出場時が最も高打率で2割9分4厘9毛(2番時は2割9分4厘8毛)。今季開幕戦で入った3番を大きく上回っている。また、西岡の三塁守備はプロ入り後7試合。13年8月30日広島戦(甲子園)に「1番三塁」で先発し、以後9月10日中日戦(甲子園)まで、自身が出場した7試合で連続して三塁で先発。この間、28打数9安打で打率3割2分1厘と打撃好調。ロッテ、米ツインズ在籍中には三塁守備はなかった。