やっとチャンスが来た。阪神11年ドラフト1位の伊藤隼太外野手(25)が今日1日に出場選手登録される。午前中、鳴尾浜を訪れると風岡2軍内野守備走塁コーチから「頑張ってこいよ!」と声がかかった。夕方には新大阪駅で「(お世話になった人のためにも)頑張ります」と決意表明し岡山入り。大きな瞳が輝いていた。

 「やってやろうという気持ちは強いですね。上に上がるとまた(モチベーションが)1段階上がると思うのでうまくコントロールしながらやりたい。舞い上がっても空振りするだけなので。それは2年で経験してしまっているので」

 出遅れた14年シーズンだった。沖縄・宜野座キャンプでスタートも、3月中旬に2軍へ降格。直後の教育リーグで右手甲に死球を受けて、一時は戦列から離れた。掛布DCも「練習する才能を持っている」と評価する練習の虫は、バットを振り続けた。6月を終え、2軍では打率、本塁打、打点でトップ。チーム3冠王だ。

 それでも緒方ら若手外野手の台頭で、なかなか1軍のチャンスが来なかった。「自分に(機会が)来たらやってやるぞ、と常に思っていました」。1軍ではベンチスタートが濃厚だが、限られたチャンスをつかむしかない。3年目のリベンジが始まる。