<オリックス7-6ソフトバンク>◇16日◇京セラドーム大阪

 首位ソフトバンクが2位オリックスに投打で競り負けた。最後はルーキー森唯斗投手(22)が37試合目のプロ初黒星。互いに執念をぶつけ合った直接対決で8月初となる連敗を喫した。

 5-5の同点とした直後の7回を森は3人で退けた。2イニング目の8回だった。2死二塁から糸井を敬遠ぎみに歩かせ、ベンチは途中出場の鉄平との勝負を決めた。結果は左中間を深々と破られ、重い2点で引導を渡された。加藤投手コーチは回またぎについて「明日のこと、延長のこともあるから」と話し、ここまで働いてきた森を責めなかった。

 オリックスの救援陣の強さは7回終了時にリードしていると開幕から53連勝というデータに出ている。その法則こそ、7回に柳田が同点打を放って阻止した。さらに柳田は9回も守護神平野佳から意地の適時打で1点差に迫りはしたが、1歩及ばなかった。33ホールドポイントの五十嵐、30セーブのサファテはブルペンで敗戦を迎えてしまった。

 秋山監督は先発中田に厳しい目を向けた。「3点もらってピッチングが変わるようじゃな。自分でリズムを崩してるようではいかん。それが次の回にも響いた」。4-1とした直後の4回に中田は4四死球と乱れ、1失点。5回は糸井にソロを浴びた上、連打で無死一、二塁とピンチを残して降板。2番手柳瀬で同点とされた。責任投球回を持たなかったツケも森の回またぎの伏線となっていた。

 これで2ゲーム差。不気味な足音が背後で大きくなってきた。さらに、京セラドーム大阪では7戦全敗というデータで、その不気味さは増してしまう。【押谷謙爾】