<楽天2-8西武>◇26日◇コボスタ宮城

 若武者よ、学んでくれ。楽天はドラフト1位ルーキー松井裕樹投手(18)が7回5失点で7敗目を喫した。2番手からは、同7位・相原和友投手(24)同9位・今野龍太投手(19)同5位・西宮悠介投手(23)と新人をつぎ込んだ。新人4投手が同一試合で登板したのは、10年9月5日オリックス(ソフトバンク戦)以来という珍継投。結果は厳しい敗戦だったが、星野仙一監督(67)の親心の込められた敗戦でもあった。

 松井裕の粘りの投球を、同期たちが引き継いだ。8回だ。2番手は左腕・相原。初球の直球で栗山に二ゴロを打たせた。「ワンポイントと言われていたので、しっかり抑えられて良かったです」と任務を終えた。

 続いたのは今野だ。4番の中村に、ど根性の直球勝負。147キロ空振り、148キロ見逃しストライク、そして3球目146キロで二ゴロに倒した。1球ごとに球場の歓声は大きくなる。松井裕以上の盛り上がりだった。次のメヒアには2ボール1ストライクからの高め直球を本塁打とされた。松井裕同様、今野にとっても初の被本塁打だった。「本塁打は甘く高めに行ったので、低めに投げなければ」と反省の弁だった。

 4人目の男は西宮。9番林崎にストレートの四球を出すなど、ダメ押しの2点を失った。「いいボールと悪いボールが、はっきりしてしまった。ボール先行になったのが悔やまれます」と、唇をかんだ。

 試合後の星野監督は「コントロールがいかに大事なのか、今、勉強させているんだ。高めに行くとホームラン、持って行かれる。これを『肥やし』にしてほしいな」と話した。

 敗れても未来の肥やしになれば…。ルーキー継投には、先行投資の意味がある。星野監督は試合前にも言っていた。「今野はいずれどこかで先発させるよ。(ドラフト4位)古川もそのうち1軍に上げる。計算していた投手が、みんな今年はダメだからな。戸村だって7、8勝くらい考えていたし、高堀も中継ぎで考えていたのに、全然出てこない」。可能性に期待すべく、積極的に若手を起用する意向だ。「相手を研究し、自分を研究する。それが足りない。そうでないと、この世界で食っていけないよ」と同監督。将来の飛躍のため、今こそが、学ぶ時だ。【金子航】