阪神藤川球児投手(31)が11月30日、兵庫・西宮市内の球団事務所で契約交渉に臨み、現状維持の4億円プラス出来高で単年契約を結んだ。そして、「球団への恩」を理由に、2000万円の増額を辞退した。(金額は推定)

 「これまで受けた恩もあるし、過去3年間は自分で見ても十分に評価してもらっているので、その必要はないという、自分の判断です。クライマックスも出られなかったし、何かに使ってもらった方がいいしという感じです」。41セーブを挙げ4年ぶりのタイトルを獲得し、シーズン中には国内FA権を取得したが残留。功労者に対し、球団からは2000万円の増額を提示されたが、守護神はあえて受け入れなかった。

 一方で、初の出来高契約も結んだのは、優勝して「取り返す」自信があるからだ。「優勝というのがまずありますし、必ずします。約束できると確信めいたものがあります」。順調に行けば、来シーズン中に海外FA権を取得する。これまでも、ポスティングシステムでの移籍を訴え続け、メジャーへの「思い」を伝えてきた。「とにかく来年絶対優勝する」。これまで以上の責任を背負い、守護神は課せられた使命を全うする覚悟だ。【鎌田真一郎】