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中田“お仕置き”ファンサービス

コーチが背中を向けたらまたボール遊びをする中田(撮影・長島一浩)
コーチが背中を向けたらまたボール遊びをする中田(撮影・長島一浩)

 “おしおき”が、最高のファンサービスになった。日本ハム高校生ドラフト1巡目の中田翔内野手(18)が11日、「3番三塁」で2打数無安打に終わった紅白戦後に居残り特打を行った。10日、大ホームランの陰で、連絡ミスにより、夜間練習を欠席する“大ポカ”もしていた。そのため首脳陣が居残り練習を課したのだ。だが、そこは今ノリにノッている怪物クン。3連休最終日に球場を訪れた1200人のファンをとりこにしての、柵越えショーとなった。

 練習のメニュー表には背番号10の居残り特打が記載されていた。だが、バットを持ってグラウンドに表れたのは、大きな背中の背番号6だった。梨田監督が「スレッジを予定していたんだけど、足がね…。お客さんもいるし、中田にしたらいいかなと思った」と予定変更の理由を明かした。左足内転筋に違和感を訴えたスレッジに変わって、居残り特打を課せられた中田。心なしか重たい足取りで、怪物は打撃ケージへと向かった。

 実はちょっとした裏事情がある。10日、阪神との練習試合で大ホームランを打った夜のことだ。首脳陣は夜間練習の指名選手に中田を入れた。中島打撃コーチは、陽仲寿を介して本人に伝えておくように指示。しかし、陽が中田の部屋を訪れるとすでにもぬけの殻だった。沖縄を訪れている母香織さんらと夕食をともにするため、すでに出掛けてしまった後だったのだ。

 連絡ミスによる行き違いのため、当然中田には練習をボイコットしようというような悪気はさらさらなかった。ただ、予定よりも振り込みが不足してしまうことは事実であり、“おしおき”の意味も込め、この日の居残り練習。思わぬ形で課せられた罰だった。

 だが、そこはチョ~ポジティブの中田。めげることなく、どこまでも貪欲(どんよく)だ。この日の紅白戦では空振り三振を含む2打数無安打1四球。中飛を打ち上げた第1打席こそ「変化球に対して泳がずに打てた。振り切ることができたのはよかった」と手ごたえは感じたが、納得のいく結果ではなかっただけに、“お仕置き特打”はむしろ望むところだった。

 吉井投手コーチらを相手に168スイングで柵越え13発。「きつかったけど集中してできた。(試合よりも)遅いボールをいかに引きつけて右方向に打てるかを意識した」と納得顔。「ホントはジョーンズが(特打に)入る予定だったんですよ」と、スレッジとジョーンズを間違える天然っぷり!? まで発揮し、さらにこの日の夜間練習には、呼ばれてもいないのに「技術が足りないから」と“リベンジ”の自主参加までしてみせた。

 そんな事情を知らない1200人のファンは、試合で見られなかった中田の特大アーチを間近で見ることができて大喜び。さまざまな事情が絡んでの居残り特打だったが、3連休最終日に球場を訪れたファンに、最高の思い出を残したことは間違いない。【本間翼】

[2008年2月12日9時48分 紙面から]

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