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由規フリー打撃初登板でボール連発

散々な結果に肩を落とす由規(撮影・栗山尚久)
散々な結果に肩を落とす由規(撮影・栗山尚久)

 「泣き虫王子」は「ドキドキ王子」だった。ヤクルト佐藤由規投手(18=仙台育英)が12日、フリー打撃へ初登板し、緊張からボールを連発した。首位打者2回の青木宣親外野手(26)ら打者2人に変化球も交えて全43球を投げたが、ほぼ半数の21球がボール判定でストライクが入らなかった。久々の打者への投球などを配慮し、周囲も温かい目で見守ったが、由規はほろ苦いデビュー登板に終始苦笑いだった。

 緊張から崩したフォームと気持ちのバランスを、由規は最後まで取り戻せなかった。ドキドキのフリー打撃初登板。バントの構えをする同じ新人の中尾敏浩外野手(25=JR東日本)に対して大暴投する初球に始まり、青木への最後は6球連続で自慢の直球がストライクゾーンから外れた。審判に「ボール」と判定されたのは、43球のうち21球を数えた。

 由規「精神的に舞い上がって…、つられて力んでしまって。青木さんには正直当てないようにしないと、というのがあって、その分フォームもバラついてしまいました。もう少し1球1球集中して投げられたら良かったです」。

 対戦を熱望していた青木には「オーラを感じた」と圧倒され、25球中13球がボールだった。初対決は不戦勝? となった青木だが「荒れていたけど、真っすぐは速いし、スライダーも小さく鋭く曲がる。僕ら次第ですけど、普通に行けば2ケタは勝てると思う。今日は当てちゃいけないというのがあったんでしょう」。注目右腕を気遣いつつも、高い可能性を感じていた。

 最速157キロ右腕といえども、入寮時には家族の涙に目を潤ませるなど、まだまだ18歳の若者だ。

 由規「チキって(チキン=憶病者)ました。自分はめちゃめちゃ緊張しやすいんです。甲子園の時も足が震えてましたし、いつもは体を動かしていくうちに慣れてくるんですけど」。

 初フリー打撃で36スイングで6連発を含む13本の柵越えを放ち「(観客の拍手が)自分にだったとわかってうれしくなったっす」と言った日本ハムのルーキー中田とは対照的となった。

 精神的な弱さを指摘する声も出たが、荒木投手コーチは「青木にバッティングさせなかったね」とジョークで切り出しながら「どんな投手だって最初は緊張する。ましてや相手が青木だしね。でも甲子園で良い投球をしているわけだし(精神面の)心配はしていないよ」と笑顔で続けた。

 この日は、打撃ケージ裏からも高田監督はじめ大勢の視線を感じた。久しぶりの打者への投球や日本を代表する好打者との対戦ということもあり、高揚した気分を抑えきれず、本来の投球には程遠い内容というのが大方の見方だ。

 由規「最初が肝心だと思ったけど。今のままではダメですね。毎日練習を積み重ねて、次の機会には反省を生かしたい」。

 25日の楽天戦(沖縄・浦添)での先発デビューも決定している。ほろ苦い結果となったドキドキの初登板を振り返りながらも、経験を糧に新たなステップへと踏み出していく。【松本俊】

[2008年2月13日9時27分 紙面から]

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