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プロ野球2008年度契約更改

岩瀬4億3000万保留、来季オフにFAも

保留した岩瀬は記者会見を終え立ち上がる(撮影・清水貴仁)
保留した岩瀬は記者会見を終え立ち上がる(撮影・清水貴仁)

 中日の守護神・岩瀬仁紀投手(33)が25日、名古屋市内の球団で契約更改交渉を行い、1年契約では現役投手最高年俸となる4億3000万円、1年目4億2000万円で2年目から年俸が変動する4年契約の2種類を提示されたが、態度を保留した(推定金額)。自身初の越年が決定し、年明けの次回交渉で1年契約を選択した場合、来季オフのFA権行使の可能性が出てきた。

 岩瀬は何度も悩ましげな表情を浮かべた。現時点で現役投手最高年俸となる4000万円アップの1年4億3000万円と4年契約の選択。複数年の4年契約を結べば「生涯中日」の可能性が高くなったが、決断しなかった。

 岩瀬「正直、ずっと(野球を)やってきて、まだ来年に向けてきちっと気持ちが切り替わっていない。自分の中で結論が出なかったです」。

 12月の北京五輪アジア予選までフル稼働し、ハワイへのV旅行はキャンセルした。激闘の疲れをひきずっていた。悩みの種は複数年契約の中身だった。1年目は年俸4億2000万円で、2年目以降は成績に応じた年俸変動性。アジアシリーズ中の11月の残留交渉では年俸固定性の4年契約を求めたが、球団に却下されていた。

 岩瀬「4年という年数はうれしいが…。変動制なので、だったら単年で勝負してもいいかなと思う。(年齢が)30代後半なら複数年もいいけど。(4年の)総額が決まっていれば全然違うと思う」。

 複数年契約のメリットは契約期間中の4年間は戦力外にならないこと、不調に終わっても年俸の下がり幅が緩やかになること。33歳の岩瀬は今季、61試合で防御率2・44、前人未到の3年連続40セーブ以上の43セーブを記録。星野ジャパンにも選出され、アジア予選の韓国戦では北京切符獲得に貢献した。1年契約で08年に活躍すれば、来オフにもう1度、FA権行使の選択肢も出てくる。

 メジャー関係者の間では「来季の目玉はイワセ」と注目されている。交渉後の会見で1年契約の場合は来オフにFA権行使の可能性があるか、の問いに「そういうふうに受け取ってもらってもかまわない」とキッパリと口にした。ただ地元愛知出身でチームに対する愛着も強いだけに「単年だからといって、すぐ(FAで)出て行こうということではないですよ。メジャー? そればっかりはわからないです…」と揺れる胸中も明かした。

 現役投手最高年俸を保留し「注目されるのはうれしい半面、自分のことを聞かれているので少し恥ずかしい」と話した。次回交渉は来年1月4日の予定。この日、帰り道の地下駐車場で愛車のバンパーを車止めにこすった。「今日はものすごく憂うつな1日だ」とさえない表情で事務所を後にした。1年か複数年か。日本最強ストッパーは、熟考しながら年を越すことになりそうだ。【益田一弘】

[2007年12月26日9時49分 紙面から]

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